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巡回健診診察マニュアル 50 時々出会う現病歴・既往歴 ITP

医療
07 /31 2019
特発性血小板減少性紫斑病(ITP Idiopathic thrombocytopenic purpura )


1.概念
・血小板膜蛋白に対する自己抗体が発現し、血小板に結合する結果、主として脾臓における網内系細胞での血小板の破壊が亢進し、血小板減少を来す自己免疫性疾患。

・血小板産生も抑制されていることが明らかにされている。血小板自己抗体が骨髄巨核球にも結合し、血小板の産生障害を引き起こしていると考えられる。

・一次性免疫性血小板減少症(primary immune thrombocytopenia)と呼ばれることもある。

・診断は除外診断が主体であり、血小板減少をもたらす基礎疾患や、薬剤の関与を除外する必要がある。

・血小板減少とは、血小板数10万/µL未満をさす。

・患者数 約26,000人 罹患率 2.6人/10万人年

・女性は31〜35歳と81〜85歳をピークとする二峰性。男性は81〜85歳をピークとする一峰性。



2.原因
・詳細は不明。

・成人慢性ITPではピロリ菌感染が発症原因となっていることがある。

・小児ITPではウイルス感染や予防接種を先行事象として有する場合がある。



3.症状
・出血。主として皮下出血(点状出血又は紫斑)。軽微な外力によって生じる。

・歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、頭蓋内出血なども起こり得る。

・出血症状は自覚していないが血小板減少を指摘され、受診することもある。



4.治療
・治療の目標は、危険な出血を防ぐことにある。

・第一選択薬は副腎皮質ステロイド。

・薬の副作用の観点から、血小板数を3万/µL以上に維持するのに必要な最小限の薬剤量の使用に留めるべきであることを成人ITP治療の参照ガイドでは推奨している。

・発症後6か月以上経過し、ステロイドの維持量にて血小板を維持できない症例、ステロイドの副作用が顕著な症例は積極的に脾摘を行う。



5.予後
・成人慢性ITPでは、約20%は副腎皮質ステロイドで治癒が期待されるが、多くは副腎皮質ステロイド依存性であり、ステロイドを減量すると血小板数が減少してしまうため長期のステロイド治療が必要となる。

・血小板数が3万/µL以上を維持できれば、致命的な出血を来して死亡する例はまれ。

・脾摘により、約60%がステロイドなしでも血小板数10万/µL以上を維持できるようになる。




参考サイト
難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/303

参考書籍
『指定難病ぺディア2019』日本医師会雑誌 第148巻・特別号(1)



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