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下の句50音順にたどる百人一首 No.51 ぬ

百人一首
05 /23 2019
No.53(No90)
下の句
ぬ・れにぞぬれしいろはかはらず
(濡れにぞ濡れし 色はかはらず)

上の句
みせ・ばやなおじまのおあまのそでだにも
(見せばやな 雄島のあまの 袖だにも)


意味
血の涙で色が変わった私の袖を見せたいものです。あの雄島の海女の袖でさえ、ひどく濡れてはいますが、色は少しも変っていませんよ。


出典
『千載集』巻14恋4・886
「歌合し侍りけるとき恋の歌とてよめる」


作者
殷富門院の大輔
1131頃~1200頃 平安末期・鎌倉初期の歌人
藤原信成の娘。後白河天皇の第一皇女殷富門院亮子(式子内親王と同腹)に仕えた。


備考
・「ばや」は願望の終助詞。

・「雄島」は歌枕。宮城県松島湾内の一小島。小松崎との間に渡月橋がある。

・「だに」は軽いものをとりあげて、重いものを類推させる副助詞。本歌では「あまの袖」からじぶんの袖を類推させる。

・「に」は同じ動詞の間に入れて強める働きの格助詞。

・「色」は自分の恋の苦しみのために出た血の涙で染まった赤い袖の色。恋の涙は血の涙という発想は、当時の常套的なもの。

・『後拾遺集』恋4、源重之の「松島や雄島の磯にあさりせしあまの袖こそかくは濡れしか」を本歌とする本歌取り歌。



参考書籍
『百人一首一夕話 上・下』 尾崎雅嘉著 岩波文庫
『ビジュアル版 日本の古典に親しむ② 百人一首』 大岡信著 世界文化社
『別冊太陽 百人一首への招待』 吉海直人監修 平凡社
『解説 百人一首』 橋本武著 ちくま学芸文庫


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コメント

非公開コメント

No title

松島には雄島があります。お坊さんが修行もしたらしく岩にその面影があります。
松尾芭蕉の弟子の碑も雄島にあります。「松島や 鶴に身をかれ ほととぎす」
確かこのような句だと思います。小さな赤い橋がかかっていて観光客は余りみかけません。ずいぶん歴史のある島だと分かりました。ありがとうございます。

No title

私はまだ雄島には行ったことがありません。
いつか行ってみたいと思います。
コメントありがとうございました。

Radiology2003

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