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『夕陽妄語』を読むために 「画家モランディの世界」

加藤周一
10 /28 2018
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「画家モランディの世界」 1990.5.15

・ジョルジョ・モランディ(Giorgio Morandi. 1890~1964):イタリアの画家,銅版画家。ボローニャで生まれ、同地の美術学校で学び、生涯をこの地で過ごした。瓶や器を主題にした静物を描き、瞑想的な作風を確立。G.キリコ、C.カルラとともに「形而上絵画」を主唱するが、後に孤立して制作に専念する。

・ボローニャ:イタリア北部、エミリアロマーニャ州の州都。ボローニャ県の県都。12~16世紀には独立の自治都市となり、法学のボローニャ学派、絵画のボローニャ派など学術・文化が栄えた。

・立体主義(キュビズム):1907年から 14年にかけてパリで起った美術の革新運動。 対象を複数の角度から幾何学的面に分解し、再構成する技法を創出。ルネサンス以来の一点透視図法を否定した。08年にマチスがブラックの描いた『エスタック風景』連作 (1907~08) を評して「小さな立方体 (キュブ) の塊」と言ったのがその名称の由来という。セザンヌの「自然を円筒,円錐,球として取扱う」という言葉はキュビスムにとって啓示となり、彼の芸術と黒人彫刻はこの運動の初期に多大の影響を与えた。ピカソの《アビニョンの娘たち》(1907年)が最初の作品とされる。

・キリコ(Giorgio de Chirico 1888〜1978):ギリシア生れのイタリアの画家。ニーチェの哲学や A.ベックリン、F.シュトゥック、M.クリンガー、A.クービンなどの世紀末の絵画の影響を強く受ける。1911年パリに出てピカソ,M.ジャコブ,G.アポリネールらと知合う。 17年 C.カルラと形而上絵画を提唱。その独自の幻想的絵画はのちのシュルレアリスム絵画に決定的な影響を与えた。しかし 19年頃からアカデミックな画風に転じ,従来の自己の前衛的なスタイルを否定するようになる。

・マティス(Henri Matisse 1869〜1954):フランスの画家。セザンヌ,スーラなどの影響を受け、さらに A.マルケ、ドラン、ルオー、ブラマンクらの画家と交わり、1905年サロン・ドートンヌにそれら友人とともに激しい原色を用いた作品を発表、フォービスムの指導者的存在となる。色彩・フォルム・描線の単純化・装飾化によって独自の絵画空間を構築し、現代美術に多大の影響を与えた。代表作《赤のハーモニー》(1908〜1909)、《ダンス》(1910)。

・モンドリアン(Pieter Cornelis Mondriaan 1872〜1944):オランダの画家。写実的な風景画から出発したが、神智学とキュビスムの影響を受け、絵画における絶対性を追求して抽象へ進む。1917年デ・ステイル運動を興し、新造形主義理論を提唱。水平線と垂直線、三原色と無彩色により画面を構成した。本格的な抽象絵画を描いた最初期の画家とされる。代表作は《赤,黄,青によるコンポジション》 (1921) 、《ブロードウェー・ブギウギ》(1942~43)など。

・ボナール(Pierre Bonnard 1867〜1947):フランスの画家。1880年代末に J.ビュイヤール、M.ドニ、P.セリュジエらとともにナビ派を形成。日本美術の影響を強く受け、「ナビ・ジャポナール」(日本かぶれのナビ)と呼ばれた。室内情景などの身近な題材を好んで描いたことから、エドゥアール・ヴュイヤールと共にアンティミスト(親密派)と呼ばれている。主要作品は《逆光の裸婦》 (1908)、《浴槽の裸婦》(1937)など。

・セザンヌ(Paul Cézanne 1839~1906):フランスの画家。親友ゾラの勧めで1861年パリに出て絵画に専念。それまでドラクロア、クールベらの濃い影響を受けていたが、パリでピサロに出会って印象主義的作風に向かい、さらに1880年ころから印象主義を否定し、色面によって空間を構築する独自の様式を確立し、キュビスムをはじめとする20世紀絵画に多大な影響をもたらし、「近代絵画の父」といわれる。代表作に《大水浴》(1898年―1905年)、サント・ビクトアール山を主題とした数多くの作品など。

・ピエロ・デッラ・フランチェスカ(Piero della Francesca 1412~1492):イタリアの初期ルネッサンス期の画家。主として宗教画を描いた。代表作≪キリストの洗礼≫(1450頃)、≪ウルビーノ公夫妻の肖像≫(1472~74)など。

・クロード・ロラン(Claude Lorrain 1600年代~1682):フランスで生れローマで活躍した画家。ロレーヌ地方の出身なので、「ロラン」と呼ばれ、生涯の大半をローマで送った。宗教的主題をもつ風景画を制作、外光と大気の微妙な変化を巧みに表現し、のちの風景画家に大きな影響を与えた。 代表作≪カンポバッチーノ港の暁≫(1636) ≪シバの女王の船出』≫(1648) など。



参考書籍
日本大百科全書 小学館
世界大百科事典 平凡社
デジタル大辞泉 小学館
ブリタニカ国際大百科事典 ブリタニカ・ジャパン
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