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文学作品最初と最後の一文  小泉八雲 ④

最初と最後の一文
05 /31 2023
16.『ひまわり』 小林幸治訳
最初の一文:「樹木の生い茂る丘に隠された家で、私とロバートは妖精の輪を探していた。」
最後の一文:「私達は妖精の輪を探していた……しかし現実のロバートに存在した全ては、遠い昔に豊かで未知な何かの中で変貌を被ったはずである……人が友の為にその命を捧げる、これに勝る愛は無し……」


17.『蓬莱』 小林幸治訳
最初の一文:「青い光景は高くなるほど深みを無くし―海と空は輝く靄を通して混じりあう。」
最後の一文:「そしてその幻は薄れ掛かっている―絵や詩や夢の他では二度と姿を見せない……」


18.『蝶』 小林幸治訳
最初の一文:「日本の文芸で盧山として知られるチャイナの学者の幸運が私にも望めないだろうか。」
最後の一文:「適切に演じるには六人の舞い手が必要とされ、独特の形の動きをしなければならない―伝統的な規則に従って足運びや姿勢や仕草を続け―そして鼓と太鼓、小さな横笛と大きな横笛、西洋の牧神に知られていない姿をした風数の管を集めた楽器の音で、お互いが非常にゆっくり旋回する。」


19.『蚊』 小林幸治訳
最初の一文:「自分の身を守るためにハワード博士の本「モスキート」を読んでいる。」
最後の一文:「あの鐘が聴こえる範囲に残れるよう願っている……そして、運悪く食血餓鬼の状態になる可能性を考慮すれば、どこかの竹の花入れか水溜の中に生まれ変わる機会を得たい、そこから知人の何人かを噛むために、細く鋭いさえずりを優しく歌い出すかもしれない。」


20.『蟻』 小林幸治訳
最初の一文:「夜の大嵐が過ぎ去った後の今朝の空は、快晴で青がまぶしい。」
最後の一文:「星々のやり方に「劇的な意図」を証明するのは不可能であるが、やはり宇宙の過程はすべての人間らしい倫理制度の価値を人間の我欲と根本的に対立する物と断言しているように見える。」



参考書籍
『決定版 小泉八雲全集』 決定版日本文学全集(文豪e叢書) 1986年

参考サイト
青空文庫
https://www.aozora.gr.jp/index_pages/person258.html


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