巡回健診診察マニュアル 127 最近既往歴で見た疾患 冠動脈瘻
医療
1.概念
右または左の冠状動脈が瘻の血管を介して直接心、または大血管腔に開く先天性疾患。
雑音は通常連続性雑音が胸骨下部左縁(右室に開口する場合)または、右縁(右房に開口する場合)にきかれる。左室に開口する場合には主に拡張期雑音がきかれる。
2.原因
心臓の形成過程において、冠動脈が形成される前は、心室壁は海綿状で、心室腔から直接灌流されている。冠動脈が心外膜から形成されるにしたがい海綿状構造は消失するが、この際に冠動脈と海綿状構造の一部が連結すると本症となる。
3.症状
本症の90%までは、比較的短絡が少なく、肺/体血流量比は2以下。
短絡が少ない場合には小児期には心臓の雑音を呈するだけで、特別の症状はないが、成人特に40歳過ぎになると労作時の呼吸困難や疲労、心不全の症状などが増加する。
短絡が多く肺高血圧を合併する場合には乳児期に多呼吸、体重増加不良などの心不全の症状を生じる。
4.治療
心内膜炎予防、心不全、心筋虚血、瘻の破裂リスクが治療適応。
小さな瘻血管の治療適応はない。年齢とともに瘻血管は拡大する傾向があるので、ある程度以上の瘻血管なら治療適応。 治療は、カテーテルで塞栓術か、手術で結紮。
5.予後
瘻の血管が比較的小さいとき、冠動脈の拡大が無いときは、予後は良好。
治療後も大きな瘻血管や冠動脈が残存するときは、予後不良のことがある。
参考サイト
・小児慢性特定疾病情報センター
https://www.shouman.jp/disease/details/04_60_083/
本日もご訪問いただきありがとうございました。

備忘録・雑記ラン
右または左の冠状動脈が瘻の血管を介して直接心、または大血管腔に開く先天性疾患。
雑音は通常連続性雑音が胸骨下部左縁(右室に開口する場合)または、右縁(右房に開口する場合)にきかれる。左室に開口する場合には主に拡張期雑音がきかれる。
2.原因
心臓の形成過程において、冠動脈が形成される前は、心室壁は海綿状で、心室腔から直接灌流されている。冠動脈が心外膜から形成されるにしたがい海綿状構造は消失するが、この際に冠動脈と海綿状構造の一部が連結すると本症となる。
3.症状
本症の90%までは、比較的短絡が少なく、肺/体血流量比は2以下。
短絡が少ない場合には小児期には心臓の雑音を呈するだけで、特別の症状はないが、成人特に40歳過ぎになると労作時の呼吸困難や疲労、心不全の症状などが増加する。
短絡が多く肺高血圧を合併する場合には乳児期に多呼吸、体重増加不良などの心不全の症状を生じる。
4.治療
心内膜炎予防、心不全、心筋虚血、瘻の破裂リスクが治療適応。
小さな瘻血管の治療適応はない。年齢とともに瘻血管は拡大する傾向があるので、ある程度以上の瘻血管なら治療適応。 治療は、カテーテルで塞栓術か、手術で結紮。
5.予後
瘻の血管が比較的小さいとき、冠動脈の拡大が無いときは、予後は良好。
治療後も大きな瘻血管や冠動脈が残存するときは、予後不良のことがある。
参考サイト
・小児慢性特定疾病情報センター
https://www.shouman.jp/disease/details/04_60_083/
本日もご訪問いただきありがとうございました。

備忘録・雑記ラン
スポンサーサイト
コメント