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漱石・読んだふり 『虞美人草』九

漱石
10 /24 2022
漱石・読んだふり 『虞美人草』九

登場人物(登場順)
・小夜子

・小野さん

・孤堂先生



ストーリー
・5年間で変わった小野さんと変わらない小夜子の間に小夜子が感じる距離感
  小野さんが孤堂先生のために借りた家の中での小夜子と小野さんの会話(小野さんが借りてくれた家について、嵐山について)

・孤堂先生が帰宅する。

・孤堂先生と小夜子の会話
  東京の乾燥した気候について、小夜子が小野さんに変わっていないと言われたこと



語句
・玻璃:1 仏教で、七宝の一。水晶のこと。2 ガラスの異称。

・瓶裏:かめのなか。びんのなか。

・雲鬟(うんかく):(「鬟」は、まげの意) 美しく結った女性の髪。まげ。




作者の出現
・「作者は小夜子を気の毒に思うごとくに、小野さんをも気の毒に思う。」



小野さんの変わりかたについて
「小野さんの変りかたは過去を順当に延ばして、健気に生い立った阿蒙の変りかたではない。色の褪めた過去を逆に捩じ伏せて、目醒しき現在を、相手が新橋へ着く前の晩に、性急に拵え上げたような変りかたである。小夜子には寄りつけぬ。手を延ばしても届きそうにない。変りたくても変られぬ自分が恨めしい気になる。小野さんは自分と遠ざかるために変ったと同然である。」



小説について
・「自分の世界が二つに割れて、割れた世界が各自てんでに働き出すと苦しい矛盾が起る。多くの小説はこの矛盾を得意に描く。小夜子の世界は新橋の停車場ステーションへぶつかった時、劈痕(ひび)が入った。あとは割れるばかりである。小説はこれから始まる。これから小説を始める人の生活ほど気の毒なものはない。」



参考図書
『漱石全集』第五巻 岩波書店 1978年


日本大百科全書 小学館
世界大百科事典 平凡社
デジタル大辞泉 小学館
ブリタニカ国際大百科事典 ブリタニカ・ジャパン


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