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金子みすゞ私的鑑賞  65. お菓子買ひ

金子みすゞ
07 /10 2020
65. お菓子買ひ


母さんに言はない
お菓子買ひ、
菓子屋のかどを
いくたびも、
行つて、戻つて、
また行つて。

都ことばの
小母さまに、
一つ貰うた
しろい銭、
握つて、握つて
汗が出る。


『金子みすゞ全集』Ⅰ美しい町 p205


2連12行
9 5、7 5、7、5。  7 5、7 5、8 5。


お正月かお盆で久しぶりに会った「都ことばの小母さま」に貰った「しろい銭」。

お金貰ったことをお母さんに言わずに、そのお金でお菓子を買う時の逡巡の様子が描かれています。

お金を握りしめたままお店の前を行ったり来たりしている間に、握った掌に出てきた汗の感触が、読み手にも伝わります。


みすゞさんの時代も、知り合いからでもお金をもらえばお母さんに報告するのが当然の事だったようです。

お菓子を買うことは子供にとって幸せな行いですが、後ろめたい思いを伴うお菓子買いも成長にとっては必要なことだと思います。


「しろい銭」は白銅貨か銀貨と考えられますが、明治後期から大正初めに発行されていた硬貨を調べると、5銭白銅貨だったのではないかと思われます。



名詞:      母さん、 お菓子買ひ、 菓子屋、 かど、 いくたび、 都ことば、 小母さま、 一つ、 銭、 汗

形容詞:    しろい

動詞:   言ふ、 行く(2回)、 戻る、 貰う、 握る(2回)、 出る



通算登場回数  
今回登場    母さん(お母さま、母さま、かあさん、かあさま):14作目    白(白い、しろい、眞白な):10作目   
 
今回登場なし   海(外海内海):19作目   (お)空(夕ぞら、青空):17作目   赤(赤い):12作目   青(青い):11作目     (お)舟・小舟・船:7作目      雲:6作目    花:6作目    波:5作目     (お)星:4作目    (お)父さま(父さん):3作目    雪:3作目   黒い:3作目   みどり(こみどり):3作目    石ころ(石):2作目 紅い:2作目 お月さん:1作目    藍いろ:1作目    お魚:1作目  



参考書籍
『新装版 金子みすゞ全集Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』 JULA出版局 1984年
『童謡詩人金子みすゞの生涯』 矢崎節夫 著 JULA出版局 1993年
『別冊太陽 生誕100年記念 金子みすゞ』 平凡社 2003年
『没後80年 金子みすゞ ~みんなちがって、みんないい。』 矢崎節夫 監修  JULA出版局 2010年
『金子みすゞ 魂の詩人』 増補新版 KAWADE夢ムック 文藝別冊 河出書房新社 2011年
『永遠の詩1 金子みすゞ』 矢崎説夫 選・鑑賞 小学館eBooks 2012年
『金子みすゞ作品鑑賞事典』 詩と詩論研究会編 勉誠出版 2014年




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