巡回健診診察マニュアル 133 最近既往歴で見た疾患 網膜中心静脈閉塞症
医療
網膜中心静脈閉塞症
1.概念
網膜中心静脈(網膜組織からの血液が心臓に帰るために集まってきて視神経乳頭の中心で集合した血管)に血栓が生じて、血流が低下するために、網膜全体に眼底出血が生じ、視力低下が生じる病気。
非虚血型と虚血型の2つのタイプに分類される。症状や予後が大きく異なる。
一般的に虚血型は視力も0.1以下で、治療をしても大きく視力回復することはなく、時に血管新生緑内障から失明してしまうこともある。。
非虚血型は予後が良好。
発症後3年ぐらいの間に、非虚血型から虚血型に移行する場合が約30%程度あるとされている。
中高年に生じることが多く、大規模臨床試験の平均年齢は65歳前後。
少数ながら20代30代の人に発症することもある。若年者の場合は高血圧の合併がなく、血管の炎症が原因であることが多い。
2.原因
多くの場合高血圧・動脈硬化が原因。糖尿病などもリスクを高める一因。
3.症状
急速な視野異常、変視症、視力低下が生じる。
視野異常は片目の全体が、ぼんやりとかすんで薄暗く見えるが、真っ暗ではない、と言った症状が典型的。一部暗い部分とある程度明るい部分が混在するのも特徴。
視力低下は病状の程度により、手動弁といった高度の視力低下を来たす場合から1.0 近くと正常に近いものまで様々。
4.検査
眼底検査:病変の範囲、血管閉塞の程度を知るため
光干渉断層計(OCT)検査:視力に影響する黄斑のむくみの程度を評価するため
蛍光眼底造影検査:網膜の循環状態を調べることで、病気のタイプ、状態など治療方針の決定に重要な情報を得る
5.治療
黄斑のむくみのために視力低下をきたしている場合は抗VEGF治療が行なわれることがほとんど。
視力がいい場合は、様子を観ることもある。
副腎皮質ホルモン(ステロイド)を眼球の外側に注射することもある。
視神経乳頭での血管や神経の炎症が原因と考えられる場合には、全身への抗炎症療法(ステロイド剤の点滴あるいは内服)を行う。
虚血型の場合には、硝子体出血や血管新生緑内障を予防するために、レーザー治療(汎網膜光凝固)を行う。
硝子体出血を生じた場合には硝子体手術を行い、出血の除去とレーザー治療(汎網膜光凝固)を行う。
参考サイト
・日本眼科学会
https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=39
・三和化学研究所
https://www.skk-net.com/health/me/c01_05.html
本日もご訪問いただきありがとうございました。

備忘録・雑記ラン
1.概念
網膜中心静脈(網膜組織からの血液が心臓に帰るために集まってきて視神経乳頭の中心で集合した血管)に血栓が生じて、血流が低下するために、網膜全体に眼底出血が生じ、視力低下が生じる病気。
非虚血型と虚血型の2つのタイプに分類される。症状や予後が大きく異なる。
一般的に虚血型は視力も0.1以下で、治療をしても大きく視力回復することはなく、時に血管新生緑内障から失明してしまうこともある。。
非虚血型は予後が良好。
発症後3年ぐらいの間に、非虚血型から虚血型に移行する場合が約30%程度あるとされている。
中高年に生じることが多く、大規模臨床試験の平均年齢は65歳前後。
少数ながら20代30代の人に発症することもある。若年者の場合は高血圧の合併がなく、血管の炎症が原因であることが多い。
2.原因
多くの場合高血圧・動脈硬化が原因。糖尿病などもリスクを高める一因。
3.症状
急速な視野異常、変視症、視力低下が生じる。
視野異常は片目の全体が、ぼんやりとかすんで薄暗く見えるが、真っ暗ではない、と言った症状が典型的。一部暗い部分とある程度明るい部分が混在するのも特徴。
視力低下は病状の程度により、手動弁といった高度の視力低下を来たす場合から1.0 近くと正常に近いものまで様々。
4.検査
眼底検査:病変の範囲、血管閉塞の程度を知るため
光干渉断層計(OCT)検査:視力に影響する黄斑のむくみの程度を評価するため
蛍光眼底造影検査:網膜の循環状態を調べることで、病気のタイプ、状態など治療方針の決定に重要な情報を得る
5.治療
黄斑のむくみのために視力低下をきたしている場合は抗VEGF治療が行なわれることがほとんど。
視力がいい場合は、様子を観ることもある。
副腎皮質ホルモン(ステロイド)を眼球の外側に注射することもある。
視神経乳頭での血管や神経の炎症が原因と考えられる場合には、全身への抗炎症療法(ステロイド剤の点滴あるいは内服)を行う。
虚血型の場合には、硝子体出血や血管新生緑内障を予防するために、レーザー治療(汎網膜光凝固)を行う。
硝子体出血を生じた場合には硝子体手術を行い、出血の除去とレーザー治療(汎網膜光凝固)を行う。
参考サイト
・日本眼科学会
https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=39
・三和化学研究所
https://www.skk-net.com/health/me/c01_05.html
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