漱石・読んだふり 『虞美人草』三
漱石
漱石・読んだふり 『虞美人草』三
登場人物(登場順)
・宗近君
・甲野さん
ストーリー
・京都の宿での宗近君と甲野さんの会話
部屋の額の字や襖の絵について
ゴージアン・ノットについて
・甲野さんが日記を認める
・甲野さんの宗近君に対する猜疑
・隣家から聞こえる琴の弾き手についての想像
・宗近君が琴の弾き手を昨日見ていたことについて
・甲野さんの父、小野さん、藤尾、御糸さんについて
・甲野さんの父が持っていた時計について
・宗近君が鱧を料理する匂いがすると言い、実際宿の夕食に鱧料理が出される
歴史的人物・事項
・アレキサンダー
「「ゴージアン・ノットと云うのはアレキサンダー時代の話しさ」」
語句
・衣桁(いこう):室内に置いて衣服を掛ける家具。形状は鳥居に似て、台のある2本の柱に横木を渡す。
・緞帳芝居:小芝居を蔑視した呼称。引き幕を許されず,緞帳を用いたことから名が起った。
繰り返す表現
・「ただ昔しながらの春雨が降る。寺町では寺に降り、三条では橋に降り、祇園では桜に降り、金閣寺では松に降る。宿の二階では甲野さんと宗近君に降っている。」
・「親の謎を解くためには、自分が親と同体にならねばならぬ。妻の謎を解くためには妻と同心にならねばならぬ。宇宙の謎を解くためには宇宙と同心同体にならねばならぬ。これが出来ねば、親も妻も宇宙も疑である。解けぬ謎である、苦痛である。」
妻に関する記述
・「妻と云う新らしき謎を貰うのみか、新らしき謎に、また新らしき謎を生ませて苦しむのは、預かった金銭に利子が積んで、他人の所得をみずからと持ち扱うようなものであろう。」
哲学者について、または哲学的思考に関する記述
・「「ところが哲学者なんてものは意味がないものを謎だと思って、一生懸命に考えてるぜ。気狂きちがいの発明した詰将棋つめしょうぎの手を、青筋を立てて研究しているようなものだ」」
・「「哲学者なんてものは、よくごまかすもので、何を聞いても知らないと白状の出来ない執念深しゅうねんぶかい人間だから、……」」
・「「宇宙は謎なぞである。謎を解くは人々の勝手である。勝手に解いて、勝手に落ちつくものは幸福である。疑えば親さえ謎である。兄弟さえ謎である。妻も子も、かく観ずる自分さえも謎である。」
面白い情景描写
・「衣桁に懸けた紺の背広の暗く下がるしたに、黒い靴足袋が三分一裏返しに丸く蹲踞っている。違棚の狭い上に、偉大な頭陀袋を据えて、締括りのない紐をだらだらと嬾くも垂らした傍に、錬歯粉と白楊子が御早うと挨拶している。」
参考図書
『漱石全集』第五巻 岩波書店 1978年
日本大百科全書 小学館
世界大百科事典 平凡社
デジタル大辞泉 小学館
ブリタニカ国際大百科事典 ブリタニカ・ジャパン
本日もご訪問いただきありがとうございました。

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登場人物(登場順)
・宗近君
・甲野さん
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・京都の宿での宗近君と甲野さんの会話
部屋の額の字や襖の絵について
ゴージアン・ノットについて
・甲野さんが日記を認める
・甲野さんの宗近君に対する猜疑
・隣家から聞こえる琴の弾き手についての想像
・宗近君が琴の弾き手を昨日見ていたことについて
・甲野さんの父、小野さん、藤尾、御糸さんについて
・甲野さんの父が持っていた時計について
・宗近君が鱧を料理する匂いがすると言い、実際宿の夕食に鱧料理が出される
歴史的人物・事項
・アレキサンダー
「「ゴージアン・ノットと云うのはアレキサンダー時代の話しさ」」
語句
・衣桁(いこう):室内に置いて衣服を掛ける家具。形状は鳥居に似て、台のある2本の柱に横木を渡す。
・緞帳芝居:小芝居を蔑視した呼称。引き幕を許されず,緞帳を用いたことから名が起った。
繰り返す表現
・「ただ昔しながらの春雨が降る。寺町では寺に降り、三条では橋に降り、祇園では桜に降り、金閣寺では松に降る。宿の二階では甲野さんと宗近君に降っている。」
・「親の謎を解くためには、自分が親と同体にならねばならぬ。妻の謎を解くためには妻と同心にならねばならぬ。宇宙の謎を解くためには宇宙と同心同体にならねばならぬ。これが出来ねば、親も妻も宇宙も疑である。解けぬ謎である、苦痛である。」
妻に関する記述
・「妻と云う新らしき謎を貰うのみか、新らしき謎に、また新らしき謎を生ませて苦しむのは、預かった金銭に利子が積んで、他人の所得をみずからと持ち扱うようなものであろう。」
哲学者について、または哲学的思考に関する記述
・「「ところが哲学者なんてものは意味がないものを謎だと思って、一生懸命に考えてるぜ。気狂きちがいの発明した詰将棋つめしょうぎの手を、青筋を立てて研究しているようなものだ」」
・「「哲学者なんてものは、よくごまかすもので、何を聞いても知らないと白状の出来ない執念深しゅうねんぶかい人間だから、……」」
・「「宇宙は謎なぞである。謎を解くは人々の勝手である。勝手に解いて、勝手に落ちつくものは幸福である。疑えば親さえ謎である。兄弟さえ謎である。妻も子も、かく観ずる自分さえも謎である。」
面白い情景描写
・「衣桁に懸けた紺の背広の暗く下がるしたに、黒い靴足袋が三分一裏返しに丸く蹲踞っている。違棚の狭い上に、偉大な頭陀袋を据えて、締括りのない紐をだらだらと嬾くも垂らした傍に、錬歯粉と白楊子が御早うと挨拶している。」
参考図書
『漱石全集』第五巻 岩波書店 1978年
日本大百科全書 小学館
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デジタル大辞泉 小学館
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