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西洋画家紀伝 15.アンドレア・デル・カスターニョ

西洋美術
01 /31 2022
アンドレア・デル・カスターニョ
Andrea del Castagno

生:1418頃  カスターニョ
没:1457    フィレンツェ


・イタリアルネサンス期の画家。

・マザッチオの画風に影響を受けている。

・写実的な人物表現で知られる。

・アンギアーリの戦いで絞首刑にされた市民を描いたことで、「首くくりのアンドレア(Andrea degli Impiccati)」と呼ばれた。



作品
・1447:『イエス受難の三場面と最後の晩餐』 サンタポローニア修道院旧食堂壁画
・1450頃:『ダビデ』 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
・1453頃:『聖ヒエロニムスと二人の聖女をともなう三位一体』 サンティッシマ・アヌンツィアータ聖堂
・1455~1456:『ニッコロ・ダ・トレンティーノ騎馬像』 サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂壁画



参考書籍
・『西洋美術史ハンドブック』 高階秀爾 編 新書館 1997年
・『増補新装 カラー版 西洋美術史 』 高階秀爾 監 美術出版社 2002年
・『いちばん親切な 西洋美術史』 池上英洋 著  新星出版社 2016年
・『鑑賞のための西洋美術史入門』 早坂優子 著  視覚デザイン研究所 2006年
・『知識ゼロからの西洋絵画史入門』 山田五郎 著 幻冬舎 2011年
・『改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト』 美術検定委員会 編 美術出版社 2014年
・『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』 木村泰司 著 ダイヤモンド社 2017年
・『世界の美術 コンパクト版』 アンドリュー・グレアム=ディクソン 監 河出書房新社 2017年



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漱石・読んだふり 『一夜』

漱石
01 /30 2022
漱石・読んだふり 『一夜』  


登場人物(登場順)
・髭ある男

・髭なき丸顔の男

・涼しき眼の女


ストーリー
2人の男と1人の女が一夜を過ごし床につくまでのやり取り

・髭ある男が「美くしき多くの人の、美くしき多くの夢を……」、髭なき男が「描けども成らず、描けども成らず」と吟じ、女が「画家ならば絵にもしましょ。女ならば絹を枠わくに張って、縫いにとりましょ」と返すところから3人の会話が始まる。

・3人の注意がほ「ククー」と鳴き飛び立ったほととぎすに向く。

・香炉の蓋に蜘蛛が天井から降りてくるのを3人が興じる。

・二疋の蟻が這い出て、一疋が女の膝ひざの上によじのぼるのを3人が興じる。

・3人がそれぞれ寝床につく。


歴史的人物・事柄
・歌麻呂
「「わしは歌麻呂のかいた美人を認識したが、なんと画を活かす工夫はなかろか」とまた女の方を向く。」

・若冲
「床柱に懸けたる払子の先には焚き残る香の煙りが染しみ込んで、軸は若冲の蘆雁と見える。雁の数は七十三羽、蘆は固より数えがたい。」

・ハムレット
「胡桃の裏(うち)に潜んで、われを尽大千世界の王とも思わんとはハムレットの述懐と記憶する。」


語句
・九仞の上に一簣を加える:「九仞の功を一簣に虧く」=長い間、努力してきたことが、あとわずかのところで失敗に終わってしまうことのたとえ。

・宣徳:明の宣宗時代(1426〜1435)の年号。

・藕糸孔(ぐうしこう):きわめて小さいもののたとえ。

・粟粒芥顆(ぞくりゅうかいか):粟の粒や芥子の実のように、非常に小さいこと。


繰り返す表現
・「三十分の後のち彼らは美くしき多くの人の……と云う句も忘れた。ククーと云う声も忘れた。蜜を含んで針を吹く隣りの合奏も忘れた、蟻の灰吹を攀じ上った事も、蓮の葉に下りた蜘蛛の事も忘れた」


書中評
「なぜ三人が落ち合った? それは知らぬ。三人はいかなる身分と素性と性格を有する? それも分らぬ。三人の言語動作を通じて一貫した事件が発展せぬ? 人生を書いたので小説をかいたのでないから仕方がない。」


本作品に関する記述
・明治38年9月17日の夏目漱石の高浜虚子宛書簡
「「御批評には候へどもあれをもっと分る様にかいてはあれ丈の感じは到底出来ないと存候。あれは多少分らぬところ処が面白い処と存候。あれを三返精読して傑作だというてくれたものが中川芳太郎君であります。」」

・『吾輩は猫である』第六章
「「先達ても私の友人で送籍という男が『一夜』という短編をかきましたが、誰が読んでも朦朧として取り留めがつかないので、当人に逢って篤と主意のあるところを糾してみたのですが、当人もそんな事は知らないよといって、取り合わないのです。全くその辺が詩人の特色かと思います。」」



参考図書
『漱石全集』第三巻 岩波書店 1978年


日本大百科全書 小学館
世界大百科事典 平凡社
デジタル大辞泉 小学館
ブリタニカ国際大百科事典 ブリタニカ・ジャパン


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復習「アタック25」 2021.5.2

アタック25
01 /29 2022
2021.5.2 20代大会  

Q1.2021年ブルガリのアンバサダーに就任した人物

Q2.井原鉄道に登場した「アート列車」にラッピングされた絵の所蔵美術館

Q3.日本の市名で「手」が使われている市4つ

Q4.テニス全豪オープンで使用されるコートの種類

Q5.日本国憲法が規定する労働三権

Q6. ナポレオン1世がワーテルローの戦いに敗れて流された島

Q7.コアの木の木材で作られる楽器

Q8.マンガ大賞2021で大賞に選ばれた作品

Q9.関ヶ原の戦いが起こった時の元号

Q10.ゲティスバーグの演説が行われた場所がある州



A1.山下智久

A2.大原美術館

A3.横手市、取手市、幸手市、長久手市

A4.ハードコート

A5.団結権、団体行動権、団体交渉権

A6.セントヘレナ島

A7.ウクレレ

A8.『葬送のフリーレン』

A9.慶長

A10.ペンシルベニア州



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『百人一首一夕話』私訳  安倍仲麿②

百人一首
01 /28 2022
安倍仲麿の話

 その昔遣唐使といって日本から才智ある人を選んで、唐へ学びに派遣していたことがあった。その際大使・副使(ふし)・判官(はうぐわん)・主典(しゅてん)と名づけた四人を四艘の船に乗せて遣わすことが通例であったことから、この遣唐使のことを「四つの船」と歌には詠んでいた。元正天皇の霊亀二年六月多治比真人県守(たぢひのまひとあがたもり)を押使(おうし)とし、阿部朝臣安麿を大使とし藤原宇合を副使として遣唐使が派遣されるが、この時下道真備(しもみちのまび 後に吉備大臣と言う)と安倍仲麿も留学生として派遣された。留学生とは遣唐使の書生として従い行く人のことである。この時仲麿十六歳であった。その後十七年経過し聖武天皇の天平五年四月に、多治比広成が遣唐使として派遣された、天平七年三月広成帰朝の時、仲麿は唐の都の環境が気に入って唐に留まり、吉備真備だけが広成と同行して帰朝された。この吉備大臣は十九年間の在唐中に習得された三史(史記・前漢書・後漢書)五経のほか陰陽道、軍制・陣法並びに諸芸の事を記して聖武天皇へ献上された。この時唐礼百三十巻・大衍暦(たいえんれき)一巻・立成十二巻・孔子及び十哲の像・測影鉄(そくえいてつ)・尺鉄(しゃくてつ)の方磬(ほうけい)・律管楽書要録・弓矢等をも献上されたことで、唐朝の礼楽制度が初めて日本に伝来する事となった。仲麿は唐に留まられたため、玄宗皇帝はその志を大そう評価され、名前を朝衡(てうかう)と改めさせ、左補闕の官を授け御子儀王と親交を結ばせた。その後程なくして秘書校書の官になられた。



参考書籍
『百人一首一夕話 上・下』 尾崎雅嘉著 岩波文庫 1972年
『岩波古語辞典』 岩波書店 1974年
『改訂増補 古文解釈のため国文法入門』 松尾聰 著 2019年


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『サピエンス全史』を英語版で読むための単語帳 38(p 216〜p 220)

単語帳
01 /27 2022
p216

・toolkit:道具一式

・deportation:国外追放

・chieftain:指導者、首領

・ruffian:悪党、ごろつき

・plunder:略奪する

・in the wake of:~に引き続いて

・wherewithal to do:~する手段

・posterity:後代


p217

・wholeheartedly:心から、誠心誠意

・hark back to:~に戻る


It's for Your Own Good


p218

・vassal:家臣

・approbation:賛成、称賛

・under the thumb of ~:~にあごで使われて

・presumption to do:~する僭越、ずうずうしさ

・startling:びっくりさせる

・xenophobic:外国嫌いの


p219

・not an iota:少しも~ない

・go hand in hand with:~と協力して

・benevolent:優しい、情け深い

・negate:否定する、否認する

・mandate:命令、指令


p220

・in contradiction to:〜と正反対に

・goad:扇動して〜させる

・partly:つまらない、無価値な


When They Become Us

・amalgamate:合同する、合併する



使用書籍
・Sapiens: A Brief History of Humankind Yuval Noah Harari Vintage(Penguin Random House UK) 2015

・新英和中辞典 第5版  研究社 1985


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対訳『古事記伝』 74

本居宣長
01 /26 2022
366.疑ノ字は、上巻に佐疑理(サギリ)、【霧なり、】中巻に泥疑(ネギ)【三つあり、】須疑(スギ)【過なり三つあり、】のみなり、

訳:「疑」の字が使われているのは、上巻に「佐疑理(さぎり)、【霧のこと】、中巻に「泥疑(ねぎ)」【三か所ある】、「須疑(すぎ)」【「過ぎ」のことで、三か所ある】のみである。
 

 367.棄ノ字は、上巻に奴棄宇弖(ヌギウテ)とあるのみなり、【同じつづきに此ノ言の今一ツあるには、奴岐(ヌギ)と書り、】

訳:「棄」の字は、上巻に「奴棄宇弖(ぬぎうて)」とあるのみである。【同じ文脈でもう一度この言葉が出てくるが、そこでは「奴岐(ヌギ)」と書いてある】


368. [ク] 久玖  【濁音】具

訳:【ク】久、玖  【濁音】具


369. [ケ] 氣祁  【濁音】宜下牙

訳:【ク】氣、祁  【濁音】宜、下、牙


370.此ノ中に、下ノ字は、上巻に久羅下(クラゲ)【海月(クラゲ)なり、】とあるのみなり、

訳:この中で、「下」の字を用いた例は、上巻に「久羅下(くらげ)」【海月のこと】とあるだけである。



参考書籍
『本居宣長全集』第九巻 筑摩書房 1966年
『岩波古語辞典』 岩波書店 1974年
『古事記注釈 第一巻』 西郷信綱 著 ちくま学芸文庫 2005年
『本居宣長『古事記伝』を読む』Ⅰ~Ⅳ 2010年
『新版古事記』 中村啓信 訳注 KADOKAWA 2014年 電子書籍版
『改訂増補 古文解釈のため国文法入門』 松尾聰 著 2019年
『日本書紀上・下』 井上光貞監訳 2020年 電子書籍版


参考サイト
雲の筏:http://kumoi1.web.fc2.com/CCP057.html


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文学作品最初と最後の一文  谷崎潤一郎 31

最初と最後の一文
01 /25 2022
151.『都わすれの記』(1948年)
最初の一文:「あり經なばまたもかへらん津の國の住吉川の松の木かげに」
最後の一文:「朝寝髪枕きてめでにしいくとせの手馴れの顔も痩せにけらしな」


152.『越冬記――疎開中の日記より――』(1948年)
最初の一文:「昭和二十年十二月一日 昨夜半は珍しく背中の痛み少かりき。」
最後の一文:「(昭和二十一年三月十七日 曇少雨)夜は肉スキ焼なり。」


153.『月と狂言師』(1949年)
最初の一文:「考へれば早いもので、わたしたちが終戦を迎へてからことしは既に三年になる。」
最後の一文:「九時過ぎに私は妻を促して月下の路を帰つて行つたが、山内さんたちはまだあの床張りの席を去らないでしめやかに話し込んでゐるらしかつた。」


154.『京洛その折々――昭和二十二年日記抄』(1949年)
最初の一文:「四月十二日 晴  家人も昨日より平熱に復したるを以て我等と明さんと三人にて金剛能楽堂に行く、六之丞の八嶋寳生重英の杜若、狂言は茂山忠三郎の朝日奈、そのあと六郎の道成寺なり、満員の盛況なり、家人は鐘入りの済みしところにて一と足先に歸宅、明さんと予とは終演まで見、四絛河原町まで歩き、ここより二人乗り更生車に相乗りして歸宅(八十圓なり)エミ子本日尼崎に至りて泊る」
最後の一文:「(七月)二十四日 晴午後夕立 午前三時半起床本日は予が誕生日御祝は今日と明日と二日に亙る豫定なり本日は午前中明さん來りケーキにアイスクリームを作る、夜は赤飯を炊く、原稿二枚進行、朝早く淺田夫人子供を二人つれて來る、訳一ヶ月暇をもらひて入洛和辻邸に逗留との事なり、夕刻散歩、夕立にあひ吉初に雨やどりして歸宅ス、夫婦重子さんエミ子清治一枝女もゐて祝盃を擧ぐ」


155.『少将滋幹の母』(1949年)
最初の一文:「此の物語はあの名高い色好みの平中のことから始まる。」
最後の一文:「そして、その墨染の袖に沁みてゐる香の匂に、遠い昔の移り香がを再び想ひ起しながら、まるで甘えてゐるやうに、母の袂で涙をあまたゝび押し拭つた。」



参考書籍
『谷崎潤一郎全集』第16巻 中央公論社 1982年


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『夕陽妄語』を読むために 「「笑う男」再生」

加藤周一
01 /24 2022
「「笑う男」再生」  1999.5.20

・『笑う男』:アメリカで作られたサイレント映画。原作はヴィクトル・ユーゴーの小説『笑う男』。ドイツ表現主義のパウル・レニが監督。1928年公開。

・パウル・レニ( Paul Leni 1885〜1929 ):ドイツの映画監督。ドイツ表現主義の重要人物。はじめドイツで、後にアメリカに渡って映画を撮る。

・コンラート・ファイト(Conrad Veidt 1893〜1943 ):ドイツ出身の俳優。主な出演作『カリガリ博士』(1919)、『笑う男』(1928)、『バグダッドの盗賊』(1940)、『カサブランカ』(1942)。

・ヴィクトル・ユゴー( Victor Hugo 1802〜1885 ):フランスの詩人・小説家・劇作家。戯曲『エルナニ』(1830)の上演によってロマン主義指導者としての名声を確立。1851年のナポレオン3世のクーデタ以後の19年間は亡命生活を送る。普仏戦争後帰国して国会議員となり、その死には国葬の礼がとられた。主な作品『ノートル・ダム・ド・パリ』(1831)、『レ・ミゼラブル』(1862)。

・ムルナウ( Friedrich Wilhelm Murnau 1888〜1931 ):ドイツの映画監督。サイレント映画時代の巨匠で、表現主義映画の代表者の一人。1927年渡米。ドラキュラ伝説を扱った『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)は、幻想映画の傑作とされる。他に『ジキル博士とハイド氏』(1920)、『最後の人』(1924)。

・ヤニングス(Emil Yannings 1884〜1950 ):ドイツの映画俳優。舞台で活躍後1915年映画界入り。『最後の人』(1925年)等で成功し、世界的スターとなる。1927年〜1929年渡米し、『肉体の道』、『嘆きに天使』等に出演。

・ヴェルサイユ条約:既出(「五十年後の今も」http://selfdevelopment578.blog.fc2.com/blog-entry-483.html)

・プドフキン( Vsevolod Illarianovich Pudovkin 1893〜1953 ):ソ連の映画監督。モンタージュ理論を唱え、ソ連映画の基礎を築いた一人。セルゲイ・エイゼンシテイン,アレクサンドル・ドフジェンコ(1894‐1956),ジガ・ベルトフ(1896‐1954)と並んでソビエトのサイレント映画の4大監督の1人に数えられる。代表作『母』(1926)、『アジアの嵐』(1928)など。

・『母』:フセボロド・プドフキンが監督のソ連映画。1926年公開。ソ連の作家ゴーリキーの同名小説を映画化したもの。

・権利章典:1689年12月英国王ウィリアム3世とメアリー2世が発布した「臣民の権利および自由を宣言し、王位継承を定める法律」の通称。議会の提出した権利宣言を成文化したもので、英国の立憲政治の基礎となる。

・ルイ14世( Louis ⅩⅣ 1638〜1715 ):フランス王(在位1643~1715)。大王le Grandまたは太陽王le Roi Soleilと称されたブルボン王朝最盛期の王。1659年スペインとピレネー条約を結んだとき、スペイン王女マリア・テレサ(1638〜1683)と政略結婚する。巨額な費用と労役をつぎこんで壮麗なヴェルサイユ宮殿を造り、王宮を移す。「朕は国家なり」と言ったとされる。

・ヴァイマール共和国:1918年11月のドイツ革命によって生まれ、1933年1月のナチス党の政権掌握によって終わりを告げたドイツ最初の共和国。1919年国民議会がワイマールで開かれワイマール憲法を制定したことによる。

・ゴンクール兄弟( Frères Goncourt 1822〜1896、1830〜1870 ):ともにフランスの自然主義作家。兄弟はつねに緊密な協同の下に執筆。作品は豊富な資料と日常生活の細部にわたる記録を駆使した。『ジェルミニー=ラセルトゥ』『日記』が代表作。兄は浮世絵の研究で知られ、喜多川歌麿・葛飾北斎らをフランスに紹介した。

・黒澤明(1910〜1998 ):日本の映画監督・脚本家。第二次世界大戦後の日本映画を代表する映画監督。画家を志望していたが、1936年にP.C.L.映画製作所(1937年に東宝に合併)に入社し、山本嘉次郎監督の助監督や脚本家を務めたのち、1943年に『姿三四郎』で監督デビュー。『羅生門』(1950)でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞。『生きる』(1952)、『七人の侍』(1954)、『用心棒』(1961)などが高い評価を受け、海外で黒澤作品がリメイクされた。




チェック内容
・「20世紀の日本社会の映画に対する態度は、19世紀の日本社会の浮世絵木版画に対する態度に似ている。いずれの場合にも、高度に芸術的な大衆文化を生みだす能力があって、その芸術的質を評価する能力がなかった。浮世絵を芸術として評価したのは、ゴンクール兄弟と印象派の画家たちであり、黒澤明を発見したのはヴェネツィア映画祭である。」

・「(日本の)文化行政の極端な貧困は、映画ばかりでなく、街や自然、音楽や祭礼、文献や言語等の、ほとんどあらゆる文化的領域に及んでいる。」




参考書籍
日本大百科全書 小学館
世界大百科事典 平凡社
デジタル大辞泉 小学館
ブリタニカ国際大百科事典 ブリタニカ・ジャパン
精選版 日本国語大辞典


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仏像学習 156 仏像永劫回帰17. 姿勢

仏像
01 /23 2022
仏像学習 156 仏像永劫回帰17. 姿勢

・坐像、立像、倚像、半跏踏み下げ像、涅槃像

・坐像の種類
①結跏趺坐:坐像の基本。気力を充実させる座り方。
 ⅰ)吉祥坐:右足が上
 ⅱ)降魔坐:左足が上

②輪王坐:右膝を立てて座る。いよいよ救いに向かおうとする姿勢。

③倚像:両足をそろえて椅子に腰掛けた姿。

④半跏踏み下げ像:片足だけを反対の太ももに乗せ、片足を踏み下げた姿。

⑤涅槃像:横たわった臥像。




参考文献
・『一個人特別編集 仏像入門 (BEST MOOK SERIES 72)』2010年
・『仏教美術入門』 佐和隆研 現代教養文庫



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金子みすゞ私的鑑賞  106. 玩具のない子が

金子みすゞ
01 /22 2022
106. 玩具(おもちや)のない子が  

玩具のない子が
さみしけりや、
玩具をやつたらなほるでせう。

母さんのない子が
かなしけりや、
母さんをあげたら嬉しいでせう。

母さんはやさしく
髪を撫で、
玩具は箱から
こぼれてて、

それで私の
さみしいは、
何を貰うたらなほるでせう。


『金子みすゞ全集』Ⅲ さみしい王女 pp245〜246


4連13行
8 5、 13。  8 5、13。  8 5、 8 5、 7 5、 12。


これまでみすゞさんの詩で見てきた、みすゞさんの母親像の背景にある感情が窺える詩と考えます。

「悪太郎の唄」「お寝着」「お風呂」などで、みすゞさんの母親に対する距離感のあるよそよそしさに触れてきました。

父親は自分の身近にはいない、どこかには生きていて欲しい、いつか迎えに来て欲しい存在として描かれているのに対し、母親は身近にはいるけれども、なぜか甘えることのできない存在として描かれています。

「玩具のない子」には玩具を、「母さんのない子」には母さんに相当する人を準備すれば、さみしさ、かなしさは解消します。

みすゞさんには「やさしく髪を撫で」てくれる「母さん」も、「箱からこぼれ」るほどの「玩具」もあるのに「さみしい」のは、母さんの『愛情』が感じられないところにあると思われます。

「悪太郎の唄」でも言及しましたが、大好きな正祐を養子として引き離し、自らも亡き妹の夫と再婚した母親からは、みすゞさんは『愛情』を感じることができず、その欠如が母親に対するよそよそしさと自らのさみしさの根本原因と考えられます。


第3連は読点で終了しています。



名詞:    玩具(3回)、 子(2回)、 母さん(3回)、 髪、 箱、 何

形容詞:  さみしい(2回)、 かなしい、 嬉しい

動詞: やる、 なほる(2回)、 あげる、 撫でる、 こぼれる、 貰う



通算登場回数  
今回登場    母さん(お母さま、母さま、かあさん、かあさま):18作目    
 
今回登場なし  (お)空(夕ぞら、青空、夜ぞら):29作目     (お)海(外海内海):22作目    青(青い):14作目    赤(赤い):14作目   (お)舟・小舟・船:13作目  白(白い、しろい、眞白な):13作目     (お)花:10作目    お月さん(お月さま):8作目    雲:8作目   波:6作目     (お)星(さま):6作目    (お)魚(さかな):5作目(タイトルのみ1作)    黒い:5作目   (お)父さま(父さん):4作目    みどり(こみどり):4作目    雪:4作目   お祖母さま:3作目 石ころ(石):2作目 紅い:2作目 藍いろ:1作目   金:1作目    さくら:1作目   紺:1作目   



参考書籍
『新装版 金子みすゞ全集Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』 JULA出版局 1984年
『童謡詩人金子みすゞの生涯』 矢崎節夫 著 JULA出版局 1993年
『別冊太陽 生誕100年記念 金子みすゞ』 平凡社 2003年
『没後80年 金子みすゞ ~みんなちがって、みんないい。』 矢崎節夫 監修  JULA出版局 2010年
『金子みすゞ 魂の詩人』 増補新版 KAWADE夢ムック 文藝別冊 河出書房新社 2011年
『永遠の詩1 金子みすゞ』 矢崎説夫 選・鑑賞 小学館eBooks 2012年
『金子みすゞ作品鑑賞事典』 詩と詩論研究会編 勉誠出版 2014年



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