金子みすゞ私的鑑賞 102. お堀のそば
金子みすゞ
102. お堀のそば
お堀のそばで逢うたけど、
知らぬかほして水みてた。
きのふ、けんくわはしたけれど、
けふはなんだかなつかしい。
につと笑つてみたけれど、
知らぬ顔して水みてた。
笑つた顔はやめられず、
つッと、なみだも、止められず、
私はたつたとかけ出した、
小石が縞になるほどに。
『金子みすゞ全集』I 美しい空 p142
5連10行
12、12。 12、12。 12、12。 12、12。
ケンカした翌日に当の相手と会った時の態度の違いを表現しています。
ケンカしてもすぐに何もなかったように「なつかしい」と相手と接することができる人もいれば、いつまでも蟠りを持ち続ける人もいます。
みすゞさんは前者、ケンカの相手は後者のようです。
「笑つた顔はやめられず、つッと、なみだも、止められず、」は前者が後者の態度に接した時の悲しさをうまく表現しています。
蟠りの強さも人それぞれで、その強さに応じて仲直りにかかる時間も変わってきますが、多くの場合いつのまにか仲直りしていくものです。
そして、そんな性格の多様さも「みんなちがってみんないい」の思想に繋がっていきます。
「小石が縞になるほどに」は意味がよくとれなかった表現でした。
名詞: お堀、 そば、 水(2回)、 きのふ、 けんくわ、 けふ、 顔(2回)、 なみだ、 私、 小石、 縞
形容詞: なつかしい
動詞: 逢う、 知る(2回)、 みる(2回)、 する、 笑う(2回)、 やめる、 止める、 かけ出す、 なる
通算登場回数
今回登場 (ー)
今回登場なし (お)空(夕ぞら、青空):28作目 (お)海(外海内海):22作目 母さん(お母さま、母さま、かあさん、かあさま):17作目 青(青い):14作目 赤(赤い):14作目 (お)舟・小舟・船:13作目 白(白い、しろい、眞白な):13作目 (お)花:9作目 雲:8作目 お月さん(お月さま):7作目 波:6作目 (お)星(さま):6作目 (お)魚(さかな):5作目(タイトルのみ1作) 黒い:5作目 みどり(こみどり):4作目 雪:4作目 (お)父さま(父さん):3作目 お祖母さま:3作目 石ころ(石):2作目 紅い:2作目 藍いろ:1作目 金:1作目 さくら:1作目
参考書籍
『新装版 金子みすゞ全集Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』 JULA出版局 1984年
『童謡詩人金子みすゞの生涯』 矢崎節夫 著 JULA出版局 1993年
『別冊太陽 生誕100年記念 金子みすゞ』 平凡社 2003年
『没後80年 金子みすゞ ~みんなちがって、みんないい。』 矢崎節夫 監修 JULA出版局 2010年
『金子みすゞ 魂の詩人』 増補新版 KAWADE夢ムック 文藝別冊 河出書房新社 2011年
『永遠の詩1 金子みすゞ』 矢崎説夫 選・鑑賞 小学館eBooks 2012年
『金子みすゞ作品鑑賞事典』 詩と詩論研究会編 勉誠出版 2014年
本日もご訪問いただきありがとうございました。

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お堀のそばで逢うたけど、
知らぬかほして水みてた。
きのふ、けんくわはしたけれど、
けふはなんだかなつかしい。
につと笑つてみたけれど、
知らぬ顔して水みてた。
笑つた顔はやめられず、
つッと、なみだも、止められず、
私はたつたとかけ出した、
小石が縞になるほどに。
『金子みすゞ全集』I 美しい空 p142
5連10行
12、12。 12、12。 12、12。 12、12。
ケンカした翌日に当の相手と会った時の態度の違いを表現しています。
ケンカしてもすぐに何もなかったように「なつかしい」と相手と接することができる人もいれば、いつまでも蟠りを持ち続ける人もいます。
みすゞさんは前者、ケンカの相手は後者のようです。
「笑つた顔はやめられず、つッと、なみだも、止められず、」は前者が後者の態度に接した時の悲しさをうまく表現しています。
蟠りの強さも人それぞれで、その強さに応じて仲直りにかかる時間も変わってきますが、多くの場合いつのまにか仲直りしていくものです。
そして、そんな性格の多様さも「みんなちがってみんないい」の思想に繋がっていきます。
「小石が縞になるほどに」は意味がよくとれなかった表現でした。
名詞: お堀、 そば、 水(2回)、 きのふ、 けんくわ、 けふ、 顔(2回)、 なみだ、 私、 小石、 縞
形容詞: なつかしい
動詞: 逢う、 知る(2回)、 みる(2回)、 する、 笑う(2回)、 やめる、 止める、 かけ出す、 なる
通算登場回数
今回登場 (ー)
今回登場なし (お)空(夕ぞら、青空):28作目 (お)海(外海内海):22作目 母さん(お母さま、母さま、かあさん、かあさま):17作目 青(青い):14作目 赤(赤い):14作目 (お)舟・小舟・船:13作目 白(白い、しろい、眞白な):13作目 (お)花:9作目 雲:8作目 お月さん(お月さま):7作目 波:6作目 (お)星(さま):6作目 (お)魚(さかな):5作目(タイトルのみ1作) 黒い:5作目 みどり(こみどり):4作目 雪:4作目 (お)父さま(父さん):3作目 お祖母さま:3作目 石ころ(石):2作目 紅い:2作目 藍いろ:1作目 金:1作目 さくら:1作目
参考書籍
『新装版 金子みすゞ全集Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』 JULA出版局 1984年
『童謡詩人金子みすゞの生涯』 矢崎節夫 著 JULA出版局 1993年
『別冊太陽 生誕100年記念 金子みすゞ』 平凡社 2003年
『没後80年 金子みすゞ ~みんなちがって、みんないい。』 矢崎節夫 監修 JULA出版局 2010年
『金子みすゞ 魂の詩人』 増補新版 KAWADE夢ムック 文藝別冊 河出書房新社 2011年
『永遠の詩1 金子みすゞ』 矢崎説夫 選・鑑賞 小学館eBooks 2012年
『金子みすゞ作品鑑賞事典』 詩と詩論研究会編 勉誠出版 2014年
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