対訳『古事記伝』 59 (『古事記伝』強化週間)
本居宣長
291.宣命は、續紀よりこなた、御代御代の紀に多く記されたり、】
訳:宣命は、『続日本紀』以来、代々の天皇紀に多く記されている。】
292.おほかたこれらの餘(ホカ)、かならず詞を文(アヤ)なさずても有ルべきかぎりは、みな漢文にぞ書りける、
訳:総じてこれら以外、必ずしも言葉の綾をつけなくてもよい場合は、みな漢文で書いている。
293.【故レそのならひのうつりて、漸クに此片(ココ)の詞つづけも、おのづから漢文ざまになりぬることおほし、
訳:【その結果、それまでの習慣が変化して、次第に我が国の言葉の続け方も、漢文調になったものが多い。
294.かの宣命祝詞のたぐひすら、後々のは、ただ書キざまのみ古へのままにて、詞は漢なることのみぞ多かる、
訳:宣命・祝詞のたぐいすら、後代になるにつれて、書き方だけは古いままだが、言葉は漢文体であるものが多くなっている。
295.凡て後ノ世にくだりては、漢文の詞つきを、返リて美麗(ウルハ)しと聞て、皇国の雅言の美麗きをば、たづぬる人もなくなりぬるは、いともいとも悲しきわざなりけり、】
訳:すべて後代になると、漢文風の言葉使いを、美しいと思うようになり、日本の雅言の美麗さを尋ね求める人もなくなってしまったのは、たいそう悲しいことである。】
参考書籍
『本居宣長全集』第九巻 筑摩書房 1966年
『岩波古語辞典』 岩波書店 1974年
『古事記注釈 第一巻』 西郷信綱 著 ちくま学芸文庫 2005年
『本居宣長『古事記伝』を読む』Ⅰ~Ⅳ 2010年
『新版古事記』 中村啓信 訳注 KADOKAWA 2014年 電子書籍版
『改訂増補 古文解釈のため国文法入門』 松尾聰 著 2019年
『日本書紀上・下』 井上光貞監訳 2020年 電子書籍版
参考サイト
雲の筏:http://kumoi1.web.fc2.com/CCP056.html
本日もご訪問いただきありがとうございました。

備忘録・雑記ラ
訳:宣命は、『続日本紀』以来、代々の天皇紀に多く記されている。】
292.おほかたこれらの餘(ホカ)、かならず詞を文(アヤ)なさずても有ルべきかぎりは、みな漢文にぞ書りける、
訳:総じてこれら以外、必ずしも言葉の綾をつけなくてもよい場合は、みな漢文で書いている。
293.【故レそのならひのうつりて、漸クに此片(ココ)の詞つづけも、おのづから漢文ざまになりぬることおほし、
訳:【その結果、それまでの習慣が変化して、次第に我が国の言葉の続け方も、漢文調になったものが多い。
294.かの宣命祝詞のたぐひすら、後々のは、ただ書キざまのみ古へのままにて、詞は漢なることのみぞ多かる、
訳:宣命・祝詞のたぐいすら、後代になるにつれて、書き方だけは古いままだが、言葉は漢文体であるものが多くなっている。
295.凡て後ノ世にくだりては、漢文の詞つきを、返リて美麗(ウルハ)しと聞て、皇国の雅言の美麗きをば、たづぬる人もなくなりぬるは、いともいとも悲しきわざなりけり、】
訳:すべて後代になると、漢文風の言葉使いを、美しいと思うようになり、日本の雅言の美麗さを尋ね求める人もなくなってしまったのは、たいそう悲しいことである。】
参考書籍
『本居宣長全集』第九巻 筑摩書房 1966年
『岩波古語辞典』 岩波書店 1974年
『古事記注釈 第一巻』 西郷信綱 著 ちくま学芸文庫 2005年
『本居宣長『古事記伝』を読む』Ⅰ~Ⅳ 2010年
『新版古事記』 中村啓信 訳注 KADOKAWA 2014年 電子書籍版
『改訂増補 古文解釈のため国文法入門』 松尾聰 著 2019年
『日本書紀上・下』 井上光貞監訳 2020年 電子書籍版
参考サイト
雲の筏:http://kumoi1.web.fc2.com/CCP056.html
本日もご訪問いただきありがとうございました。

備忘録・雑記ラ
スポンサーサイト