文学作品最初と最後の一文 芥川龍之介 6
最初と最後の一文
26.『二つの手紙』(1917年8月10日)
最初の一文:「或機会で、予は下に掲げる二つの手紙を手に入れた。」
最後の一文:「これは不必要だから、ここには省く事にした。」
27.『或日の大石内蔵助』(1917年8月15日)
最初の一文:「立てきつた障子にはうららかな日の光がさして、嵯峨たる老木の梅の影が、何間かの明みを、右の端から左の端まで画の如く鮮に領している。」
最後の一文:「内蔵助は、青空に象嵌をしたやうな、堅く冷い花を仰ぎながら、何時までもぢつと亍(たたず)んでゐた。」
28.『片恋』(1917年9月17日)
最初の一文:「(一しよに大学を出た親しい友だちの一人に、或夏の午後京浜電車の中で遇つたら、こんな話を聞かせられた。)」
最後の一文:「(二人の乗つてゐた電車は、この時、薄暮の新橋停車場へ着いた)。」
29.『女体』(1917年9月)
最初の一文:「楊某と云ふ支那人が、或夏の夜、あまり蒸暑いのに眼がさめて、頬杖をつきながら腹んばひになつて、とりとめのない妄想に耽つてゐると、ふと一匹の虱が寝床の縁を這つてゐるのに気がついた。」
最後の一文:「しかし、芸術の士にとつて、虱の如く見る可きものは、独り女体の美しさばかりではない。」
30.『黄檗夢』(1917年10月)
最初の一文:「盧生は死ぬのだと思つた。」
最後の一文:「呂翁は顔をしかめた儘、然りとも否とも答へなかつた。」
参考書籍
『芥川龍之介全集』第1巻 筑摩全集類聚 筑摩書房 1971年
本日もご訪問いただきありがとうございました。

備忘録・雑記ラ
最初の一文:「或機会で、予は下に掲げる二つの手紙を手に入れた。」
最後の一文:「これは不必要だから、ここには省く事にした。」
27.『或日の大石内蔵助』(1917年8月15日)
最初の一文:「立てきつた障子にはうららかな日の光がさして、嵯峨たる老木の梅の影が、何間かの明みを、右の端から左の端まで画の如く鮮に領している。」
最後の一文:「内蔵助は、青空に象嵌をしたやうな、堅く冷い花を仰ぎながら、何時までもぢつと亍(たたず)んでゐた。」
28.『片恋』(1917年9月17日)
最初の一文:「(一しよに大学を出た親しい友だちの一人に、或夏の午後京浜電車の中で遇つたら、こんな話を聞かせられた。)」
最後の一文:「(二人の乗つてゐた電車は、この時、薄暮の新橋停車場へ着いた)。」
29.『女体』(1917年9月)
最初の一文:「楊某と云ふ支那人が、或夏の夜、あまり蒸暑いのに眼がさめて、頬杖をつきながら腹んばひになつて、とりとめのない妄想に耽つてゐると、ふと一匹の虱が寝床の縁を這つてゐるのに気がついた。」
最後の一文:「しかし、芸術の士にとつて、虱の如く見る可きものは、独り女体の美しさばかりではない。」
30.『黄檗夢』(1917年10月)
最初の一文:「盧生は死ぬのだと思つた。」
最後の一文:「呂翁は顔をしかめた儘、然りとも否とも答へなかつた。」
参考書籍
『芥川龍之介全集』第1巻 筑摩全集類聚 筑摩書房 1971年
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