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仏像学習 52.国宝仏像各論19 盧舎那仏坐像(唐招提寺金堂)

仏像
11 /30 2018
仏像学習 52.国宝仏像各論19 盧舎那仏坐像(唐招提寺金堂)

所在:唐招提寺 金堂

指定:1951年

制作年:8世紀後半

制作法:脱活乾漆造り 漆箔

像高:304.5cm   

像容:
・右手の親指と中指を稔じ、掌を前に向けた説法相。左手は掌を上に向ける。

・髪際が波形をなす。

・眉尻、目尻が水平に平行にひかれる。

・眼球のふくらみが強い。

・光背は二重円を中心に864の化仏が付けられている。もとは千仏あったと言われている。

備考
・唐招提寺で学んでいた戒律の中心的な経典は『梵網経』で、盧舎那仏の蓮華台蔵世界を説く。その世界は、盧舎那仏が坐す千葉の蓮華には一葉ごとに釈迦が在し、その釈迦のもとにさらに百億の釈迦が存在すると説かれる。

唐招提寺ホームページ
http://www.toshodaiji.jp/about_kondoh.html

参考書籍
週刊朝日百科 日本の国宝006 1997年


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宝登山神社、秩父神社訪問

神社仏閣
11 /29 2018
昨日の記事で触れました長瀞渓谷へ行った後、宝登山神社および秩父神社を訪問しました。

やはり平日の午後のため、参拝者は数えるほどでした。

どちらも無料の駐車場がありました。

宝登山神社の場合、神社前の駐車場に行く途中の参道沿いに有料駐車場がありますので、間違って有料に入らないよう、突き当たりまで行く必要があります。

【宝登山神社】
・祭神
神日本磐余彦尊 (かんやまといわれひこのみこと):神武天皇
大山祗神 (おおやまづみのかみ):山を司る神
火産霊神 (ほむすびのかみ):火を司る神

・創立
110年

・現在の社殿は、1847〜1874に造り替えられ、本殿・弊殿・拝殿よりなる権現造り。

宝登山神社ホームページ
http://www.hodosan-jinja.or.jp/gaiyou/


【秩父神社】
・祭神
八意思兼命 (やごころおもいかねのみこと):政治・学問・工業・開運の祖神。
知知夫彦命 (ちちぶひこのみこと) :八意思兼命の十世孫で、初代知々夫国造。秩父地方開拓の祖神。
天之御中主神 (あめのみなかぬしのかみ) : 鎌倉時代に合祀。
秩父宮雍仁親王 :昭和天皇の弟。昭和28年に合祀。

・創立
『先代旧事紀-国造本紀-』によれば、第十代崇神天皇の御代に知知夫国の初代国造に任命された八意思兼命の十世の子孫である知知夫彦命が、祖神をお祀りしたことに始まるとされている。

・秩父地方の総鎮守。三峯神社・宝登山神社とともに秩父三社の一社。

・社殿は徳川家康による造営で、本殿・幣殿・拝殿が1つにまとめられた権現造の形式。

・社殿の彫刻のうち、「子宝 子育ての虎」と「つなぎの龍」は左甚五郎作と言われている。

秩父神社ホームページ
http://www.chichibu-jinja.or.jp/


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長瀞渓谷訪問

徒然
11 /28 2018
埼玉県秩父郡長瀞町にある長瀞渓谷を訪れました。

平日の午後2時頃でしたので、人出はそれほど多くなく、ゆっくり散策できました。

月の石もみじ公園のライトアップは11月25日に終了し、紅葉のピークは過ぎていますが、それでもまだ見頃の時期と言ってもいい状況でした。

荒れた天候がなければ、あと一週間程度は紅葉が楽しめると思います。

紅葉は月の石もみじ公園、そして本来の長瀞渓谷の景観は月の石もみじ公園から岩畳までの間で楽しむことができます。

荒川の清流と両岸壁の地層が見どころですが、それを見る価値があると考えるかどうかは、差が出てくる景観です。

近隣に大小の駐車場があり、駐車料の相場は500円です。ネットで検索すると、300円、200円のところもあるようです。

平日だったので、待つことなく駐車場に停めることができましたが、日曜・祝日は時間によっては待つ必要があるかもしれません。

都心からは、車で2時間半程度かかるとみておいたほうがいいと思います。


長瀞町観光協会公式サイト
https://www.nagatoro.gr.jp/

参考サイト
旅に行き隊:http://www.tabi2ikitai.com/japan/j1137a/a01002.html


長瀞渓谷
埼玉県北西部、秩父郡長瀞町にある荒川中流の渓谷。
1878年地質学者ナウマン博士の調査によって再発見される。
三波川変成岩と呼ばれる長瀞系結晶片岩が浸食により露出してできた渓谷。
左岸には岩石段丘、右岸には秩父赤壁と呼ばれる断層崖が発達する。
石畳とも呼ばれる段丘面には広域変成作用による石墨片岩、緑泥片岩、紅レン片岩などがみられる。
河床には甌穴、白鳥島には横臥褶曲がある。
断層、褶曲、節理、片理など、地殻内部の様子を観察できることから、「地球の窓」と呼ばれる。
埼玉県立自然の博物館前には「日本地質学発祥の地」の石碑がある。


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金子みすゞ 私的鑑賞(五十音順) 3 赤い靴

金子みすゞ
11 /27 2018
赤い靴

空はきのふもけふも青い、
路はきのふもけふも白い。
 
溝のふちにも花が咲いた、
小(ち)さいはこべの花が咲いた。
 
坊やもべべがかろくなつて、
一足、二足、あるき出した。
 
一足踏んでは得意さうに、
笑ふ、笑ふ、聲を立てて。
 
買つたばかしの赤い靴で、
坊や、あんよ、春が來たよ。



『金子みすゞ全集』Ⅲさみしい王女 p256


5連10行(2行、2行、2行、2行、2行)  13、13。  13、13。  13、14。  14、12。  13、12。


名詞:空、きのふ(2回)、けふ(2回)、路、溝、ふち、花、坊や(2回)、べべ、一足、二足、得意、聲、ばかし、靴、あんよ、春

形容詞:青い、白い、かるい、赤い

動詞:咲く、なる、あるき出す、踏む、笑ふ(2回)、立てる、買う、来る」


「青い」空、「白い」路、「赤い」靴、とみすゞさんの詩おなじみの色が3つ出てきます。

それに加えて花のにおい、子供の笑い声と、視覚・嗅覚・聴覚の五感を使って春の訪れを歌っています。

空・路の静、子供の動きの動の対比、その間でかすかに揺れるはこべも目に浮かびます。


「赤い靴」と聞けば、野口雨情の童謡がまず思い出されます。

野口雨情の「赤い靴」が発表されたのが1922年(大正11年)。

みすゞさんが詩を投稿し始めたのが1923年(大正12年9月)。

しかも、野口雨情が選者をつとめる童謡雑誌『金の星』にもみすゞさんは投稿し、「八百屋のお鳩」が掲載されています。

そういった経緯をみると、みすゞさんがいつこの詩を作ったかはわかりませんが、野口雨情の「赤い靴」をすでに読んでいた可能性はあります。

しかし、内容は全く別物であり、内容からすれば、どちらかというと野口雨情と同時代の相馬御風がかいた「春よ来い」(1923年(大正12年)3月発表)に近いものがあります。


個人的には、そういった詮索は研究者に任せて、純粋にみすゞさんの「赤い靴」を味わうのがよいかと思います。


参考書籍
『新装版 金子みすゞ全集Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』 JULA出版局 1984年
『童謡詩人金子みすゞの生涯』 矢崎節夫 著 JULA出版局 1993年
『金子みすゞ 魂の詩人』 増補新版 KAWADE夢ムック 文藝別冊 河出書房新社 2011年
『永遠の詩1 金子みすゞ』 矢崎説夫 選・鑑賞 小学館eBooks 2012年
『金子みすゞ作品鑑賞事典』 詩と詩論研究会編 勉誠出版 2014年


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「フィリップス・コレクション展」所感

展覧会
11 /26 2018
三菱一号館美術館で開催中の「フィリップス・コレクション展」を観てきました。

日曜の午前11時頃着きましたが、人出は予想していた程ではなく、各作品の前に2~5人程度がいるという状態でした。

展示作品の質からすると、もっと観覧者が多くてもおかしくはないと思いました。


ドラクロワの作品は2点展示されていましたが、ヴァイオリン奏者パガニーニを描いた≪パガニーニ≫には、私が持っているドラクロワに対する認識に対し意表を突かれた感じがしました。ドラクロワというと、≪民衆を率いる自由の女神≫や≪キオス島の虐殺≫などの動的・劇的な題材が浮かびますが、こういった絵も描いていたんだという感想です。

クールベには海を描いた作品がいくつもありますが、個人的な印象としては荒々しく波立った情景が思い出されますが、≪地中海≫という作品は、画面手前の白く泡立つ波と対照的に、画面中央やや下のまっすぐに伸びた水平線が印象的でした。

コンスタブルの≪スタウア河畔にて≫は、個人的には本展覧会の出品作品中最も観るべき価値のあるものでした。コンスタブルの他の作品よりも抽象度が高く、何より印象的なのは画面全体に踊る線上の白い絵の具ではないでしょうか。

コローの作品は2点出品され、いずれもイタリアの風景画です。コローといえば、画面全体が銀灰色の靄に包まれたような色調の風景画ですが、出品作はどちらもその特徴を有しないものでした。図録の解説を読むと、収集者のダンカン・フィリップスは「ローマやその周辺を描いた習作こそがコローの最上の作品群であると信じていた」とあります。その考えに関しては、同意しかねます。やはり私にとっては≪モルトフォンテーヌの思い出≫がコローの最上作です。

アングルの≪水浴の女(小)≫が、本展覧会中観てよかった第2の作品でした。

図録は2500円でしたが、1800~2000円が妥当です。


三菱一号館美術館ホームページ
https://mimt.jp/pc/


訪問もご訪問いただきありがとうございました。

各国個人的調査 アルバニア共和国

国情報
11 /25 2018
アルバニア共和国(阿爾巴尼亜 亜爾抜儞 愛爾巴尼亜)

0.国名・国旗
国名
はラテン語の「albus(白い)」が語源とされ、アルバニアの地質が主に石灰岩質で白いことから「白い土地」と呼んだことに由来する。

国旗
比率 5:7  1992年制定

赤地に黒の双頭のワシのデザインは、15世紀の民族的英雄カンデルベクが紋章として考案したとされている。双頭のワシは東ローマ帝国の象徴。アルバニア人はワシの子孫という伝説がある。

国名の自称シュチバリセは「ワシの国」を意味する。

共産主義政権時代は金色で縁取られた星がワシの頭上に配されていたが、民主化に伴って星は取り除かれた。


1.面積
28700㎢(四国の約1.5倍)

2.人口・人口密度
289万人(2014年 アルバニア統計局)

100人/km2

3.首都
ティラナ

4.言語
アルバニア語

5.宗教
イスラム57%,ローマカトリック10%,正教7%

6.略史
前2世紀にはローマ帝国の支配下となり、後に東ローマ帝国に帰属。
1478年オスマン帝国の支配下に入る。
1912年オスマン帝国から独立。
1939年イタリアの保護領になり、その後併合。
1944年全土解放され、アルバニア共産党を中心とした社会主義臨時政府が設立される。
1946年王政廃止とアルバニア人民共和国設立を宣言、共産主義政権が成立。
1961年ソ連と断交。
1991年国名をアルバニア共和国に改称。初の自由選挙実施。臨時憲法制定、米・英と国交回復,ECと外交関係,IMF,世銀,欧州安全保障協力機構(OSCE)加盟

7.通貨
レク

8.政治
元首は大統領(任期5年)。議会の60%以上の賛成を獲得することによる間接選挙によって選出される。

議会は一院制。

9.経済
主要産業 :農業,製造業,建設業(EIU2015年)

アルバニア経済はユーロ圏への輸出及び出稼ぎに出た自国民のユーロ圏からの送金に大きく依拠している。

10.世界遺産(2件)
文化遺産(2件)
・ブトリント(1992、1999年拡張)
ギリシャ・ローマ時代以降の古代遺跡。古代ローマの詩人、ヴェルギリウス作の叙事詩『アエネイス』に登場する。
http://whc.unesco.org/ja/list/570#top

・ベラットとギロカストラの歴史地区(2005年、2008年拡張)
オスマン帝国時代の町並み。
http://whc.unesco.org/ja/list/569#top


参考サイト
外務省:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/albania/data.html#section1


参考書籍
『国旗・国歌の世界地図』21世紀研究会編 文春新書 2008年
『今がわかる時代がわかる 世界地図 2016年版』 成美堂出版
『なるほど知図帳世界 2017』 昭文社
日本大百科全書 小学館
世界大百科事典 平凡社


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Toward 「Qさま!!」 セルフトレーニング73 復習(2012.10.29)

Toward 「Qさま‼︎」
11 /24 2018
2012.10.29  ヤングインテリ美女軍団VSアダルトインテリ美女軍団

Q1:漢字の読み
①衡  ②圃  ③擒  ④魬  ⑤塒  ⑥埠     

Q2:和訳
①sideburns
②Every man to his trade.

Q3:女性を描いた作品を残した人物
①「ベルヴェデーレの聖母」
②「散歩、傘をさす女」
③「寛政三美人」
④「黒船屋」
⑤「ラ・ムスメ」
⑥「五美人図」
⑦「マンチェスターの聖母」
⑧「エッフェル塔の新郎新婦」
⑨「おさげ髪の少女」
⑩「弾琴美人」
⑪「フォリー・ベルジュールのバー」

Q4:切り方・縫い方の名称
①ほつれないように内側を縫う
②細かな切り込みを入れる
③薄い正方形に切る
④縫い目が目立たない
⑤手縫いで非常に丈夫

Q5:慣用句○✕
①「雀の踊り足」とは大勢が一斉に動き出す様子のことである。
②「節を折る」とは心から感謝することである。


A1
①はかり  ②はたけ  ③とりこ  ④ぶり  ⑤とぐろ  ⑥はとば     

A2
①もみあげ
②餅は餅屋

A3
①ラファエロ
②モネ
③喜多川歌麿
④竹久夢二
⑤ゴッホ
⑥葛飾北斎
⑦ミケランジェロ
⑧シャガール
⑨モディリアーニ
⑩鈴木春信
⑪マネ

A4
①袋縫い
②蛇腹切り
③色紙切り
④まつり縫い
⑤本返し縫い

A5
①✕ 字が下手なことのたとえ
②✕ 人に屈服したりして従うこと


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下の句50音順にたどる百人一首 No.30 けふを

百人一首
11 /23 2018
No.30(No.54)
下の句
けふを・かぎりのいのちともがな
(今日を限りの 命ともがな)

上の句
わすれ・じのゆくすえまではかたければ
(忘れじの 行末までは かたければ)

意味
あなたはいつまでも忘れないとおっしゃるが、遠い将来のことは頼みがたいので、今日を限りに私の命が絶えてしまったらどんなにいいでしょう。

出典
『新古今集』巻13恋3・1149
「中関白かよひそめはべりけるころ」

作者
儀同三司母(儀同三司は藤原伊周の官名)
高階貴子
生年不詳~996。平安中期の歌人。
高階成忠の娘。藤原道隆の妻で定子、伊周、隆家の母。
円融院に仕え、高内侍と呼ばれた。

備考
「忘れじ」は「忘れまい」という誓いの言葉。
「かたけれ」は難しい、(中関白の誓いの言葉を)頼みにしがたいの意。
「もがな」は願望の終助詞。


参考書籍
『百人一首一夕話 上・下』 尾崎雅嘉著 岩波文庫
『ビジュアル版 日本の古典に親しむ② 百人一首』 大岡信著 世界文化社
『別冊太陽 百人一首への招待』 吉海直人監修 平凡社
『解説 百人一首』 橋本武著 ちくま学芸文庫


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今日の日に寄せて 小雪

今日の日
11 /22 2018
11月22日 小雪

二十四節気の一つで、第20。

定気法では太陽黄経が240度のときで立冬ののち約15日目、新暦で11月22日頃。

恒気法では冬至から11/12年(約334.81日)後で11月21日頃。

陽射しは弱まり、冷え込みが厳しくなる季節。

木々の葉は落ち、平地にも初雪が舞い始める頃。

積雪はさほど多くないことから、小雪と呼ばれた。

『暦便覧』では、「冷ゆるが故に雨も雪と也てくだるが故也」と説明している。




日本の行事・暦:http://koyomigyouji.com/24-shousetsu.html
こよみのページ:http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/24doc.htm


参考書籍
日本大百科全書 小学館
世界大百科事典 平凡社

漱石・読んだふり 「吾輩は猫である」 各論① 一

漱石
11 /21 2018
漱石・読んだふり 「吾輩は猫である」 各論① 一


時期
明治37年(一の中では年の言及はないが、後の章でわかる)秋〜12月


登場人物(登場順)
・吾輩:本作品の語り手。雄猫。「波斯産の猫の如く黄を含める淡灰色に漆の如き斑入りの皮膚を有している」。

・書生:吾輩を笹原の中へ捨てた人物。

・隣家の三毛:言及のみ。吾輩の友人の猫。代言の主人を持つ。

・おさん:吾輩が住む家の下女。

・この家の主人:苦沙味先生。吾輩の飼い主。

・ここの家の小供:五つと三つ。

・細君:苦沙味先生の妻。

・筋向の白君:吾輩の友人の猫。軍人の家に住む。

・迷亭:苦沙味先生の友人。美学者。一では名前ではなく「美学者」と呼ばれている。金縁の眼鏡をかけている。

・車屋の黒:純粋の黒猫。「この近辺で知らぬ者なき乱暴猫」。吾輩の雑談相手。



ストーリー
・吾輩が捨てられて主人の家に棲みつくまでの経緯

・主人の紹介

・人間批判

・主人が水彩画に凝る話

・車屋の黒との出会いと雑談(鼠とりについて)

・主人の日記の内容(12月1日:通人論、4日:自分の水彩画について)

・迷亭が嘘をついて人を担ぐのが好きな話



言及される歴史上の人物・事項
・『ほととぎす』
「俳句をやって『ほととぎす』へ投書をしたり」(p12 岩波文庫 以下同様)

・『明星』
「新体詩を『明星』へ出したり」(p12)

・平の宗盛
「これは平の宗盛にて候を繰り返している」(p12)

・アンドレア・デル・サルト
「昔し以太利の大家アンドレア・デル・サルトが言った事がある。画をかくなら何でも自然その物を写せ。」(p13)

・ニコラス・ニックルベー
・ギボン
・『仏国革命史』
「ある学生にニコラス・ニックルベーがギボンに忠告して彼の一世の大著述なる『仏国革命史』を仏語で書くのをやめにして英文で出版させたと言った」(p22)

・ハリソン
・『セオファーノ』
「ハリソンの歴史小説『セオファーノ』の話がでた」(p22)

・レオナルド・ダ・ヴィンチ
「レオナルド・ダ・ヴィンチは門下生に寺院の壁のしみを写せと教えた事があるそうだ」(p22)



語句・表現
・一樹の陰:この世の人との出会いや関係は全て、前世の縁によるものということ。

・タカジヤスターゼ:高峰譲吉の創製したデンプン消化酵素剤の商標名。主成分はアミラーゼであるが,プロテアーゼ,リパーゼなども含む。

・へっつい:穀物や食料品などを加熱調理する際に火を囲うための調理設備。竃。

・新体詩:明治期の詩の一形態。それまでの日本の和歌,俳諧,漢詩などに対して,ヨーロッパの詩歌の形式と精神を取入れ新しい形式を目指した詩。外山正一,矢田部良吉,井上哲次郎共編の『新体詩抄』に由来する。

・後架:禅寺で、僧堂の後ろに設けた手洗い場。また、そのかたわらに便所もあったところから、便所のこと。

・ワットマン:麻繊維を原料とする純白で厚手の高級水彩図画用紙。1760年英国のワットマンJ.Whatmanが漉き始めた。

・露華:美しい露。

・浩然の気:物事にとらわれない、おおらかな心持ち。もとは中国,戦国時代の儒家,孟子が説いた、天地の間に満ちわたる生命と活力のもとになる気。

・寒竹:タケの一種。節間はやや紫色を帯び、皮に紫斑がある。秋にたけのこが出る。紫竹しちく。古くは孟宗が母のために冬の雪中にタケノコを掘った故事になぞらえて孟宗竹と呼ばれていたが、現在に言うモウソウチクは別の竹。

・檣壁:石・煉瓦・土などで築いた塀。

・喟然:ため息をつくさま。嘆息するさま。

・山出し:田舎から出てきたままで洗練されていないようす。

・劈頭:物事のいちばん初め。最初。冒頭。

・つくばい:茶室の露地に低く置かれた石製の手水鉢 。茶客が入席する前にここで手を清めるが,そのとき体を低くしてつくばう(蹲踞)のでこの名が生れた。


現代でも当てはまる言説
・「元来人間というものは自己の力量に慢じて皆んな増長している。少し人間より強いものが出て来ていじめてやらなくてはこの先どこまで増長するか分からない。」(p15)

・「人間てものあ体の善い泥棒だぜ」(p19)


読みづらい漢字
・痞え(つか・え)
・顫える(ふる・える)
・剿滅(そうめつ)
・寒鴉(かんあ)
・吶喊(とっかん)
・一廉(ひとかど)



疑問点
・一、二では、主人の小供は2人として出ているが、後の回(四・十)では3人として出てくる。

・p9に「吾輩の主人は滅多に吾輩と顔を合せることがない。」とあるが、次の頁では「吾輩は仕方がないから、出来得る限り吾輩を入れてくれた主人の傍にいる事をつとめた。朝主人が新聞を読むときは必ず彼の膝の上に乗る。彼が昼寝をするときは必ずその背中に乗る。」と書かれている。






参考図書
『漱石全集』第一巻、第二巻 岩波書店 1978年
『吾輩は猫である』 岩波文庫
『漱石大全』Kindle版 第3版 古典教養文庫
『カラー版新国語便覧』 第一学習者 1990年
『漱石とその時代』1~3 江藤淳 著 新潮選書
『決定版 夏目漱石』 江藤淳 著 新潮文庫
『夏目漱石を読む』 吉本隆明 著 ちくま文庫
『特講 漱石の美術世界』 古田亮 著 岩波現代全書

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Radiology2003

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