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特別展「名作誕生 つながる日本美術」所感

展覧会
04 /30 2018
本日もご訪問いただきありがとうございます。

東京国立博物館 平成館で開催されている特別展「名作誕生 つながる日本美術」を観てきました。

ゴールデンウイーク初日(4/28)の午前11時頃でしたが、会場が人でごった返すという程ではありませんでした。

展示作品の質から言えばもっと人出が多くてもいい思うのですが、展覧会名があまり人を引き付けるものではないことが影響していると思われます。

個人的にはその方がいいのですが。

展覧会の趣旨は、図録のあいさつ文によると、

「日本美術史上には「名作」と呼ばれる作品が数多く存在します。・・・名作はさまざまなドラマをもち、受け継がれ、さらに新しい名作の誕生へとつながってきました。本展覧会では、こうした作品同士の影響関係や社会背景に着目して、古代の仏教美術から近代の洋画まで、地域や時代を超えた名作の数々を、十二のテーマで紹介いたします。」

とあります。

そのなかで、テーマ6に若冲の「白鶴図」が登場します。

それらが、中国の文正が描いた「鳴鶴図」や陳伯冲が描いた「松上双鶴図」の画題を模倣していることは知っていましたが、今回そのもとになった絵と若冲の絵を比較してみることができました。

しかも、同じ意匠で狩野探幽が描いた「波濤飛鶴図」も観ることができました。

それらを比較してみると、鶴の羽、足の描写の緻密さにおいて若冲の絵が際立っており、羽の透明感が目を引きます。

ただ、美術作品は好みの問題なので、誰もがそれを評価するとは限りません。

波濤の描写は若冲のそれはやや意匠に傾きすぎて、探幽のものがいいという人もいるのではないでしょうか。


東京国立博物館ホームページ
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1889


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名著を疑う  『死に至る病』

書評
04 /29 2018
本日もご訪問いただきありがとうございます。

『死に至る病』 キェルケゴール著 斎藤信治訳 岩波文庫

多くの人がこの書の難解さを指摘しています。

例に取り上げられるのが、第一編冒頭の文章です。

 「人間とは精神である。精神とは何であるか?精神とは自己である。自己とは何であるか?自己とは自己自身に関係するところの関係である、すなわち関係ということには関係が自己自身に関係するものなることが含まれている、-それで自己とは単なる関係ではなしに、関係が自己自身に関係するというそのことである。」p22

確かにわかりにくいです。注釈書を読んでも納得したという気にはなりません。

しかし、わかりにくさ・難解さと、名著と言われていることを疑うこととは、別物です。

個人的には、この著書は本文のつぎの文章に集約されていると考えています。
 
 「この病に罹りうることが人間が動物よりも優れている点である。この病に着目していることがキリスト者が自然人よりも優れている点である。この病から癒されていることがキリスト者の至福である。」p24

「この病」とは「絶望」のことですが、上の引用を自分なりに解釈すると、

「死に至る病である絶望に罹り、それを意識することができるのはキリスト教信者のみであり、さらにキリスト教信者であることでその絶望からも癒される。」

となります。

つまりは、「死に至る病=絶望」の「罹患・その認識・治癒」が、キリスト教信者のなかで自己完結しているということだと思います。

したがって、キリスト教に関心のある人またはキリスト教信者以外には「絶望」はあずかり知れないもの、となります。

解説書を読むと、絶望しつつもそこから立ち上がって生き抜くことを説いている、とあるのですが、残念ながらそういった内容を読み解くことはできませんでした。

ということで、個人的には名著とは思えませんでした。

手元にある本での取り上げ具合

①名著として取り上げている
・『古典力』  齋藤孝 著  岩波新書
・『超解「哲学名著」事典』  小川仁志 著  PHP文庫

②キェルケゴールは取り上げているが『死に至る病』は取り上げていない
・『年表で読む哲学・思想小事典』 ドミニク・フォルシェー 著 菊池伸二・杉村靖彦・松田克進 訳  白水社
・『ソフィーの世界』 ヨースタイン・ゴルデル 著 池田香代子 訳  NHK出版

③取り上げていない
・『東大教師が新入生にすすめる本1・2』 文芸春秋 編  文春新書
・『ぼくらの頭脳の鍛え方』 立花隆・佐藤優 著  文春新書



著者自身による書中評 および 私のこの一文

書評
04 /28 2018
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『日本一のプロ秘書はなぜ「この気遣い」を大事にするのか?』
中村 由美 著  プレジデント社  2013年

・「私のこれまでの秘書としての経験は(成功も失敗も含めて)、どんな仕事に就くビジネスパーソンの方にも役立てていただけるのではないかと思い、こうして筆をとりました。」7/369

・「この本によって、みなさんの仕事や人間関係が少しでもスムーズになれば幸いです。」9/369

・「さまざまな人にこの本を手にとっていただき、「みんな同じなんだな」「なんだ、こんなふうに考えればよかったのか」と、何かしらのヒントを得ていただければ、こんなに嬉しいことはありません。」363/369


・・・私の選んだこの一文・・・
「何か自分と違う部分があっても「合わないな」、だから「苦手だ」と考えるのではなく、「自分とは違うな」、だから「何か学べることはないかな」と、ポジティブに思考を転換しましょう。」111/369


仏像学習 ㉒国宝の阿弥陀如来

仏像
04 /27 2018
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国宝 阿弥陀如来像


①阿弥陀如来坐像(鎌倉の大仏)  神奈川県  高徳院  鎌倉中期

②阿弥陀如来坐像・毘沙門天立像・不動明王及び二童子立像  静岡県  願成就院  鎌倉時代 運慶作

③阿弥陀如来坐像  京都府  広隆寺講堂  平安初期

④阿弥陀如来及び両脇侍像  京都府  仁和寺霊宝館  888年

⑤阿弥陀如来及び両脇侍像  京都府  清凉寺  896年

⑥阿弥陀如来及び両脇侍像  京都府  三千院  1148年

⑦阿弥陀如来坐像  京都府  法界寺  藤原時代

⑧阿弥陀如来坐像  京都府  平等院  1053年

⑨阿弥陀如来坐像  京都府  浄瑠璃寺  1107年

⑩阿弥陀如来及び両脇侍像  奈良県  法隆寺大宝蔵殿  8世紀初

⑪阿弥陀如来及び両脇侍像立像  兵庫県  浄土寺  鎌倉時代


参考サイト
国宝仏像データベース:https://butsuzolink.com/kokuho/
高徳院:http://www.kotoku-in.jp/
願成就院:http://ganjoujuin.jp/
仁和寺:http://www.ninnaji.jp/about_culturalassets/statue/
三千院:http://www.sanzenin.or.jp/guide/heritage.html
平等院:https://www.byodoin.or.jp/learn/sculpture/

マホメット? ムハンマド?

違いは何?
04 /26 2018
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私が学生の頃は、イスラム教の開祖は「マホメット」と教わりました。

しかし、今は「ムハンマド」と呼ばれています。

開祖とされる人物がかわったのかと思ったら、人物は同じで呼び方がかわっただけでした。

その原因は、発音の元となる表記言語がかわったからのようです。

以前は西欧での表記(Mohammed, Mohamet, Mahomet など、ラテン語形 Machometus に由来)やトルコ語での表記(Mehmet, Muhammet)にしたがって、モハメッド、マホメットなどと呼ばれていたものが、近年では標準アラビア語: محمد‎、Muḥammadの発音に近い「ムハンマド」に表記・発音がされるようになったからのようです。

もともと存在していた地域の言語での表記・発音を尊重しようということでしょうか。


巡回健診診察マニュアル 27 たまに出会う現病歴・既往歴 マルファン症候群

医療
04 /25 2018
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マルファン症候群

1.概念
大動脈、骨格、眼、肺、皮膚、硬膜などの全身の結合組織が脆弱になる遺伝性疾患。

2.原因
・約75%は常染色体優性遺伝。約25%は突然変異。
・原因遺伝子は、フィブリリン1、TGFβ受容体1、2が判明しているが、それら以外の未解明の原因遺伝子の存在も疑われている。細胞骨格の構成物質であるフィブリリン1の異常により、全身の結合組織が脆弱になるとともに、TGFβシグナル伝達の過剰活性化が脆弱化に関与していることも指摘されている。

3.症状
・骨格:高身長、長指、側弯、漏斗胸などの胸郭形成不全等。
・眼:水晶体亜脱臼により視力の低下
・心臓・血管:大動脈瘤破裂、大動脈解離、大動脈弁閉鎖不全
・肺:自然気胸

4.治療
・大動脈瘤、大動脈解離に対しては、人工血管置換術。
・水晶体亜脱臼、重度の側弯、漏斗胸などに対しても手術。
・大動脈瘤、解離に対しては、降圧ならびに心拍数減少の目的にて、βブロッカーによる薬物療法が行われてきたが、最近のTGFβの過剰活性化の知見から、TGFβを抑制する作用を有するアンジオテンシン受容体拮抗薬の投与が行われることもある。

5.予後
主に心血管系の合併症により生命予後が左右される。
・解離性大動脈瘤は致死的となりうる。
・マルファン症候群における動脈の拡張は年齢とともに進行する。
・動脈瘤が拡大するにつれて、二次的な大動脈弁閉鎖不全を引き起こす場合がある。
・二次的に左心室の拡張や心不全を招く。


難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4793

Toward 「Qさま‼︎」 セルフトレーニング 44 復習(2011.5.9)

Toward 「Qさま‼︎」
04 /24 2018
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2011.5.9  東大京大軍団VSインテリ芸人軍団

Q1:漢字の読み
①擲つ  ②鈍  ③遥い  ④滞む

Q2:英語の意味
①sea anemone ②child-care leave ③Don't teach fish to swim. ④quarter note

Q3:四字熟語の意味
①曲学阿世  ②七歩之才  ③直情径行  ④口耳之学

Q4:「ア」で始まる国名(13個)

Q5:「ハ、バ、パ」で始まる国名(13個)


A1:
①なげう・つ  ②なまくら  ③なが・い  ④なず・む

A2:
①いそぎんちゃく  ②育児休暇  ③釈迦に説法  ④四分音符

A3:
①学問上の真理をまげて、世間や権力者の気に入るような言動をすること。『史記』「儒林伝」から。
②詩を作る才能が非常にすぐれていること。また、作詩が早いこと。
③自分の感情のままを言動に表すこと。『礼記』「檀弓」から。
④聞いたことをそのまま人に伝えるだけの、身につかない学問。受け売りの学問。『荀子』「勧学」から。

A4:
・アイスランド共和国(欧州)
・アイルランド(欧州)
・アゼルバイジャン共和国(欧州)
・アフガニスタン・イスラム共和国(中東)
・アメリカ合衆国(北米)
・アラブ首長国連合(中東)
・アルジェリア民主人民共和国(アフリカ)
・アルゼンチン共和国(中南米)
・アルバニア共和国(欧州)
・アルメニア共和国(欧州)
・アンゴラ共和国(アフリカ)
・アンティグア・バーブーダ(中南米)
・アンドラ公国(欧州)

A5:
・ハイチ共和国(中南米)
・パキスタン・イスラム共和国(アジア)
・バチカン市国(欧州)
・パナマ共和国(中南米)
・バヌアツ共和国(大洋州)
・バハマ国(中南米)
・パプアニューギニア独立国(大洋州)
・パラオ共和国(大洋州)
・パラグアイ共和国(中南米)
・バルバドス(中南米)
・バーレーン王国(中東)
・ハンガリー(欧州)
・バングラデシュ人民共和国(アジア)


参考図書
デジタル大辞泉 小学館

参考サイト
外務省ホームページ:www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html

『夕陽妄語』を読むために 「日本の十九世紀」

加藤周一
04 /23 2018
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「日本の十九世紀」 1988.1.20

・量子力学:電子や陽子、中性子などの素粒子、さらにそれらより小さい基本粒子のレベルで諸現象を統制する理論体系。このレベルの世界では粒子と波動の二重性が顕著である。ニュートンの運動法則やマクスウェルの電磁法則などの古典論にかわる新しい力学の体系。

・相対性理論:アインシュタインにより提唱された特殊相対性理論と一般相対性理論の総称。特殊相対性理論は、ニュートン力学と光の電磁気理論との矛盾を時間・空間の考え方に新概念を導入して解決したもので、1905年に発表された。この理論は電磁気の理論の基礎を明らかにしたばかりでなく、その後に発展した原子核・素粒子の研究の手段として活躍した。一般相対性理論は、1916年に完成された理論で、重力の相対論的理論の一つであり、特殊相対性理論と異なり、まだ完全に実証された理論ではない。
 物理法則が、それを表現する座標系が変換しても形が不変であるところから、あらゆる座標系は互いに対等であり、相対的であるというのが相対性理論の意味である。「特殊」とは、この座標系の変換を等速運動という特殊なものに限っているという意味であり、「一般」とは、加速度をも含む一般運動の変換に一般化されているという意味である。

・『金枝篇』:イギリスの人類学者・古典学者であるJ・フレーザーの代表的著作。フレーザーは書斎の人類学者で、西欧古典資料や当時のさまざまな民族誌記録を読破して『金枝篇』を編んだ。その後、フィールド・ワークにもとづく人類学研究の進展により、彼の単純な進化論的枠組と資料の扱いの恣意性は厳しい批判を受けることになる。しかし、類感呪術と感染呪術の区別、呪術と宗教の関係、神聖王権、王殺しの問題など、後世の人類学における主要な関心事についての先駆的な業績である本書は、文化人類学の古典とされている。

・12音主義:音階中の諸音を、主音や主和音の支配の下にまとまりを形づくるものと考える従来の調性による音楽に対して、新しい音楽表現の追求から、平均律の12種の音を均等に用いた作法。今日通常はシェーンベルクのものを指す。

・バウハウス:1919年、建築家ワルター・グロピウスが構想してワイマールに設立した学校。同地にあった美術学校と工芸学校を合併し、新時代へ向けての工芸、デザイン、建築の刷新を図ろうとしたもの。デザインや建築を総合的に把握しようとしたグロピウスの教育方針に基づいて、イッテン、ファイニンガー、クレー、シュレンマー、カンディンスキーらの芸術家がバウハウスにかかわったことが大きな特色としてあげられる。

・『ユリシーズ』:アイルランドの小説家ジェームズ・ジョイスの長編小説。パリで1922年に刊行。ダブリンに住む中年のユダヤ人広告業者レオポルド・ブルームの、1904年6月16日の24時間を『オデュッセイア』の枠組みに当てはめて描いたもの。

・『失われし時をもとめて』:フランスの作家プルーストの、自伝的要素を盛りこんだ作品で、名前も明記されていない語り手の物語る一人称小説。1913-27年刊。全体が鋭い方法意識に貫かれたこの小説は、作品自体が作品を擁護する批評になっており、ジョイスやカフカの著作と並んで、20世紀小説の概念をまったく一新したといわれている。

・十月革命:ロシア暦の1917年10月、臨時政府を倒し、ソビエト政権を生み出した革命。西暦では11月にあたり、「十一月革命」ともいう。労働者・兵士代表ソビエトを基礎として、レーニンを首班とするボリシェビキ党政権をつくり出しマルクス主義に立つ社会主義の実現をめざす人類史上最初の革命。

・オルセー美術館:フランス、パリ市中央部、ルーブル美術館のセーヌ川斜め対岸に位置する国立美術館。フランスに二月革命が起きた1848年から第一次世界大戦が勃発した1914年までの絵画・彫刻・工芸・建築・デザイン・写真などの芸術作品を収集展示している。古代から19世紀前半までのコレクションを誇るルーブル美術館と20世紀の現代美術を対象とするポンピドー・センターの国立近代美術館をつなぐ美術館としての役割を担う。

・ブルジョワ民主主義:ブルジョワによる民主主義を指す用語。主に社会主義や共産主義などの立場から、自由主義(資本主義)社会の議会制民主主義に対して批判的な意味を持って使用される。

・国民主義:ナショナリズム。ある民族や複数の民族が、その生活・生存の安全、民族や民族間に共通する伝統・歴史・文化・言語・宗教などを保持・発展させるために民族国家あるいは国民国家とよばれる近代国家を形成し、国内的にはその統一性を、対外的にはその独立性を維持・強化することを目ざす思想原理・政策ないし運動の総称。

・コンスタブル(John Constable 1776~1837):イギリスの風景画家。1824年フランスのサロンに出品された「乾草車」(1821)がジェリコーやE.ドラクロアに感銘を与えたといわれ、バルビゾン派への影響もしばしば指摘される。

・ターナー(Joseph Mallord William Turner 1775~1851):イギリスの画家。コンスタブルと並んでイギリス風景画の黄金期を代表し、その作品数、後世への影響の大きさなどから、同国最大の画家といえる。

・コロー(Jean-Baptiste Camille Corot 1796~1875):フランスの画家。バルビゾン派の風景画家たちとも制作場所を同じくするときがあったが、一世代年長のコローは助言者的立場にとどまり、自身は光と大気をやわらかな銀灰色を主調に描く独自の風景画を模索し続けた。

・クールベ(Gustave Courbet 1819~77):フランスの画家。19世紀フランスの写実主義の創始者。また社会主義リアリズムの先駆者ともされる。彼の写実主義は、現実の労働者や農民の姿を、美化せずありのままに、何の物語的背景もなく描き出そうとするもので「天使は見えないから描かない」というのが口癖であったという。

・印象派:19世紀後半にフランスを中心に行われた美術上の様式。基本的な考え方は、光を色彩に置き換えること、可能な限り原色を多用して画面の明るさを確保すること、物の影や水面の反映、水の揺らめきなどに注目しつつ固有色にとらわれない描写に努めること、など。

・ディッケンズ(Charles Dickens 1812〜1870):イギリスの小説家。ビクトリア女王から貧しい庶民の子どもまでが愛読した、19世紀最大の国民的文豪であるばかりでなく、20世紀になっても各国語に翻訳されるうえに、ラジオドラマ、テレビドラマ、映画、ミュージカルなどのメディアにまで浸透している。代表作『オリバー・トゥイスト』(1838)、『クリスマス・キャロル』(1843)など。

・バルザック(Honoré de Balzac 1799~1850):フランスの小説家。興隆する市民階級のエネルギーと欲望を描き、フランス市民社会の最初の描き手となった。彼が考案した画期的な手段は、『ゴリオ爺さん』で初めて採用した「人物再出」の手法で、先行する作品の主人公を新しい作品の脇役的人物として、あるいはその逆の形で再登場させ、作品間に縦横の立体的関係の網目を織り上げた。主な作品『ウージェニー・グランデ』(1833)、『ゴリオ爺さん』(1835)、『谷間のゆり』(1836)、『幻滅』(1843)など。

・トルストイ(Lev Nikolaevich Tolstoy  1828~1910):ロシアの小説家。日本では明治期にはキリスト教思想、社会主義思想の代表者、大正期には人道主義の予言者とみなされた。主な作品『戦争と平和』(1865~1869)、『アンナ・カレーニナ』(1875~1877)、『復活』(1899)など。

・ゾラ(Émile Zola 1840~1902):フランスの小説家。 ゾラはクロード・ベルナールの『実験医学序説』(1865)の強い影響を受け、小説家は主観を排し、試験管の中の物質の化学反応を見る科学者の眼で、社会環境という試験管の中に投げこまれた人間がその遺伝素質に従ってどのように変化するかを観察すべきだ、と考えた。主な作品『居酒屋』(1877)、『ナナ』(1880)、『ジェルミナール』(1885)など。

・広重(歌川広重 1797~1858):江戸後期の浮世絵師。やまと絵における四季絵・名所絵の伝統を江戸末期に復活し、田舎や都会の自然の風情を抒情的に表現することによって日本的風景画の一様式を完成した。代表作『東海道五十三次』

・『瀟湘八景』:中国絵画の画題。瀟湘は湖南省の洞庭湖の南、瀟水、湘水の合流するあたりの景勝地。瀟湘八景はその一帯から八つの地を選んだもの。山市晴嵐、漁村夕照、遠浦帰帆、瀟湘夜雨、煙寺晩鐘、洞庭秋月、平沙落雁、江天暮雪をいう。北宋の文人宋迪がはじめたといい、11~12世紀に画題として成立。牧渓、王洪、馬遠らがよく描いた。

・西鶴(井原西鶴 1642~1693):江戸前期の俳諧師、浮世草子作者。代表作は『好色一代男』(1682)、『日本永代蔵』(1688)、『世間胸算用』(1692)など。

・平田篤胤(1776~1843):江戸後期の国学者。本居宣長の学問を古道学と規定し、その後継者をもって自任した。国学をいちじるしく宗教化し、宇宙開闢論、幽冥信仰、因果応報思想などを取り入れて、平田神道ともいわれる神秘的な神学体系を作り上げたことに特色がある。代表作『古史伝』。

・水戸学派:2代藩主徳川光圀の修史事業に携わった多くの学者らの間に形成された学風を前期水戸学と称し、9代藩主徳川斉昭の天保期の藩政改革のなかで大成された学風を後期水戸学と称する。一般には、幕末における内外の危機に対応して水戸藩士の一部によって展開され、尊王攘夷の観念を打ち出すことによってその後の歴史に大きな影響を及ぼした思想。

・徳富蘇峰(1863~1957):明治・大正・昭和の3代にわたるジャーナリスト、歴史家。1887年民友社を設立して雑誌『国民之友』を創刊、1890年には『国民新聞』を創刊して、以後、明治・大正・昭和の3代にわたるオピニオン・リーダーとして活躍した。蘆花(ろか)の兄。


参考書籍
日本大百科全書 小学館
世界大百科事典 平凡社

著者自身による書中評 および私のこの一文

書評
04 /22 2018
本日もご訪問いただきありがとうございます。

『3秒で心をつかみ 10分で信頼させる 聞き方・話し方』
小西 美穂 著 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2017年 電子書籍版

・「この本は、そうした私の経験から、さまざまな相手とのコミュニケーションを円滑にし、良好な関係を築くためのコツやテクニックをご紹介していくものです。」3/407

・「キャスターをつとめながら、私がずっと試行錯誤し、一流の方の会話術を学びながら蓄積してきた技術は、これまで“自分だけのもの”として何冊ものノートに記録し、大切にしてきました。その中から、みなさんの生活にもお役に立てるのではないかと思う部分だけを取り出してご紹介するのが本書です。」8/407

・「この本が、コミュニケーションに悩んでいる方や、さらに上手くなりたいと思っている方の一助になれば、うれしく思います。」9/407

・「みなさまがこの本で紹介したテクニックを入り口にして、さまざまな方と信頼関係を醸成し、人生を豊かにすることができれば心からうれしいです。そんな気持ちでこの本を書かせていただきました。」397/407


・・・私のこの一文・・・
「「コミュニケーションの達人」とは、「また会いたい」と思わせる人。」23/407

「リアル 最大の奇抜」観覧

展覧会
04 /21 2018
本日もご訪問いただきありがとうございます。

府中市美術館で開催中の「リアル 最大の奇抜」を観てきました。

展示数が60~70でそこまで大規模ではないとはいえ、展示作品の質からみれば観覧料700円はかなり安いです。

前期、後期で大幅な展示替えがあったのですが、残念ながら後期にしか行けませんでした。

出品リストをみると、延べ120点のうち前期・後期どちらでも展示されていたのは約20点でした。

しかも、2回目は半額になるので、前期、後期どちらも観に行ったとしても1050円で観れたことになります。

目当ては丸山応挙の作品で、10点以上出品されることは珍しいことです。

前期も来ていれば、20作品観れたと思うと、かえすがえす残念です。

応挙の作品の中でも、私の中では『竜門図』がぴか一です。

以前の展覧会でも観たことがありますが、簡潔な描写にもかかわらず、竜門を登る鯉の迫力を今回も感じることができました。


府中市美術館ホームページ
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/

Radiology2003

本日もご訪問いただきありがとうございます。
日々の生活の中で感じたこと・調べたことを備忘録として残しています。