フェルメール作品解説探訪 ⑨≪デルフト眺望≫
フェルメール
⑨≪デルフト眺望≫
・所蔵先:マウリッツハイス美術館
・制作年:1659〜60
・サイズ: 96.5×115.7cm
[諸解説]
・街の南側に位置するコルク港の対岸からデルフトが眺められている。
・中央後景のマルクト広場東にそびえる新教会の塔上部には、カリヨンが描かれていないことから、本作品がカリヨン取り付けが始まった1660年夏以前に描かれたと推測できる。
・当時の地図などから、左側の市壁のすぐ後ろの通り、ケテル・ストラートに面して並ぶ家並みは、当時の状況を比較的正確に反映していることが判明している。二つの教会の塔の位置関係も、現状とほぼ一致する。しかし、街をそのままに写生したわけではなく、自分の理想とする美しさを持つように描いたと言われている。
・画面左中景と中央のスヒーダム門が低い視点から眺められているのに対し、右側と前景がやや俯瞰気味に捉えられている。
・X線写真から、運河に映っているロッテルダム門の影が長く延びるよう修正されていることが判明している。
・フェルメールを再発見したと評価されている美術評論家テオフィール・トレ(トレ・ビュルガー)は、1866年美術雑誌に掲載された論文で、フェルメールを忘れられていた天才と形容し、《デルフト眺望》を絶賛した。
・画家フィンセント・ファン・ゴッホは、弟テオに宛てた手紙で「《デルフト眺望》は、近くから眺めると、何歩かさがって見た時とは違い、全く異なる色で処理されていることがわかる。」と書いている。
・フランスの作家マルセル・プルーストは、《デルフト眺望》を「世界で最も美しい絵」と形容した。
画像サイト
西洋絵画、西洋美術の画像・壁紙:
http://www.salvastyle.com/menu_baroque/vermeer.html
参考書籍
『週刊グレート・アーティストNo.70 フェルメール』 同朋舎出版 1995年
『週刊美術館 8 フェルメール』 小学館 2000年
『フェルメール全点踏破の旅』 朽木ゆり子著 集英社新書 2006年
『フェルメール論ー神話解体の試みー 増補新装版』 小林頼子著 八坂書房 2008年
『芸術新潮 やっぱり気になるフェルメール』 2008年9月
『フェルメール 光の王国』 福岡伸一著 2011年
『限定版 フェルメール全作品集』 小林頼子著 小学館 2012年
『魅惑のフェルメール全仕事』 TJMOOK 2015年1月
『フェルメール展公式ガイドブック』 AERA MOOK 2018年
『フェルメール展』図録 2018年
本日もご訪問いただきありがとうございました。

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・所蔵先:マウリッツハイス美術館
・制作年:1659〜60
・サイズ: 96.5×115.7cm
[諸解説]
・街の南側に位置するコルク港の対岸からデルフトが眺められている。
・中央後景のマルクト広場東にそびえる新教会の塔上部には、カリヨンが描かれていないことから、本作品がカリヨン取り付けが始まった1660年夏以前に描かれたと推測できる。
・当時の地図などから、左側の市壁のすぐ後ろの通り、ケテル・ストラートに面して並ぶ家並みは、当時の状況を比較的正確に反映していることが判明している。二つの教会の塔の位置関係も、現状とほぼ一致する。しかし、街をそのままに写生したわけではなく、自分の理想とする美しさを持つように描いたと言われている。
・画面左中景と中央のスヒーダム門が低い視点から眺められているのに対し、右側と前景がやや俯瞰気味に捉えられている。
・X線写真から、運河に映っているロッテルダム門の影が長く延びるよう修正されていることが判明している。
・フェルメールを再発見したと評価されている美術評論家テオフィール・トレ(トレ・ビュルガー)は、1866年美術雑誌に掲載された論文で、フェルメールを忘れられていた天才と形容し、《デルフト眺望》を絶賛した。
・画家フィンセント・ファン・ゴッホは、弟テオに宛てた手紙で「《デルフト眺望》は、近くから眺めると、何歩かさがって見た時とは違い、全く異なる色で処理されていることがわかる。」と書いている。
・フランスの作家マルセル・プルーストは、《デルフト眺望》を「世界で最も美しい絵」と形容した。
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http://www.salvastyle.com/menu_baroque/vermeer.html
参考書籍
『週刊グレート・アーティストNo.70 フェルメール』 同朋舎出版 1995年
『週刊美術館 8 フェルメール』 小学館 2000年
『フェルメール全点踏破の旅』 朽木ゆり子著 集英社新書 2006年
『フェルメール論ー神話解体の試みー 増補新装版』 小林頼子著 八坂書房 2008年
『芸術新潮 やっぱり気になるフェルメール』 2008年9月
『フェルメール 光の王国』 福岡伸一著 2011年
『限定版 フェルメール全作品集』 小林頼子著 小学館 2012年
『魅惑のフェルメール全仕事』 TJMOOK 2015年1月
『フェルメール展公式ガイドブック』 AERA MOOK 2018年
『フェルメール展』図録 2018年
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