『日本文学史序説』Paragraph Briefings 民話と民謡①
加藤周一
民話と民謡
①『風土記』と「古代民謡」は奈良朝以前の地方の大衆の感情生活を知るうえでの重要な資料である。
②『風土記』は八世紀の前半に中央政府の命令(713)によって編纂された全国の地方誌で、シナ語で書かれ、各地方の地名とその由来、産物と耕作地の状態、古老相伝の「旧聞異事」を内容としていた。『風土記』のなかで今日まで比較的完全な形で伝っているのは、『播磨国風土記』、『常陸国風土記』、『出雲国風土記』であり、部分的に残っているのが、『肥前』『豊後』の二巻である。
③『風土記』を見る限り、当時の地方信仰は『記』・『紀』とは対照的に組織化されていないことがわかる。
④『常陸国風土記』のなかにある三つお降臨神話から、当時の地方には天から降ってきた祖先神あるいは祟りの神のはなしが多数存在していたであろうことが想像できる。
⑤神々と係らない世俗的な伝説や民話は地名の由来を説明するものが多いが、そこには儒・仏の影響はほとんどない。
使用書籍
・『加藤周一著作集』巻4・巻5 平凡社 1979年
本日もご訪問いただきありがとうございました。

備忘録・雑記ランキン
①『風土記』と「古代民謡」は奈良朝以前の地方の大衆の感情生活を知るうえでの重要な資料である。
②『風土記』は八世紀の前半に中央政府の命令(713)によって編纂された全国の地方誌で、シナ語で書かれ、各地方の地名とその由来、産物と耕作地の状態、古老相伝の「旧聞異事」を内容としていた。『風土記』のなかで今日まで比較的完全な形で伝っているのは、『播磨国風土記』、『常陸国風土記』、『出雲国風土記』であり、部分的に残っているのが、『肥前』『豊後』の二巻である。
③『風土記』を見る限り、当時の地方信仰は『記』・『紀』とは対照的に組織化されていないことがわかる。
④『常陸国風土記』のなかにある三つお降臨神話から、当時の地方には天から降ってきた祖先神あるいは祟りの神のはなしが多数存在していたであろうことが想像できる。
⑤神々と係らない世俗的な伝説や民話は地名の由来を説明するものが多いが、そこには儒・仏の影響はほとんどない。
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